セッション情報 | 専修医セッション(卒後3-5年) |
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タイトル | 4:多発性胃粘膜下腫瘍の1例 |
演者 | 赤澤 陽一(順天堂大学医学部付属順天堂医院 消化器内科) |
共同演者 | 上山 浩也(順天堂大学医学部付属順天堂医院 消化器内科), 永原 章仁(順天堂大学医学部付属順天堂医院 消化器内科), 朝比奈 未紀(順天堂大学医学部付属順天堂医院 人体病理学講座), 野村 収(順天堂大学医学部付属順天堂医院 消化器内科), 稲見 義宏(順天堂大学医学部付属順天堂医院 消化器内科), 東原 良恵(順天堂大学医学部付属順天堂医院 消化器内科), 松本 健史(順天堂大学医学部付属順天堂医院 消化器内科), 今 一義(順天堂大学医学部付属順天堂医院 消化器内科), 八尾 隆史(順天堂大学医学部付属順天堂医院 人体病理学講座), 渡辺 純夫(順天堂大学医学部付属順天堂医院 消化器内科) |
抄録 | 症例は66歳女性。2008年3月、健診の上部消化管内視鏡検査(EGD)にて体上部後壁に17mm大の胃粘膜下腫瘍(SMT)を指摘されたが、腫瘍径に変化無く経過観察されていた。2012年2月、右肺腺癌に対して右上葉・下葉部分切除術を施行し (pT4N2M0 StageIIIb)、術後のPET-CTにて胃壁に集積を指摘された。以前より指摘されていた胃SMTとの関連が示唆され、2013年4月精査加療目的に当科紹介となった。EGDでは体上部大弯後壁に17mm大のSMTを認め、EUSでは比較的均一なlow echoic massが第四層から発生していた(SMT1)。CT gastrography(造影CT含む)では、SMT1に加え、体下部大弯30mm大のSMT (SMT2)、体中部大弯8mm大のSMT (SMT3)を新規に認め、いずれも壁内~管外発育型のSMTであった。造影CTではSMT1、SMT2は比較的均一な淡い造影効果を呈していたが、SMT3は造影効果に乏しかった。造影MRIではSMT1、SMT2のみ同定でき、T1WIにていずれも比較的均一な造影効果を示し、かつ、DWIで高信号を呈した。以上の精査の結果、胃SMTを合計3病変認め、診断的治療目的に胃部分切除術を施行した。病理結果は、SMT1:GIST(gastrointestinal stromal tumor)、SMT2:schwannoma、SMT3:necrotic massと、それぞれ異なる組織像であった。施行した検査の中で、3病変全てを同定し得たのはCT gastrographyのみであり、管外発育型の胃SMT診断でのCT gastrographyの有用性が示唆された。また、胃SMTにおいてGISTとschwannomaの合併例はこれまで報告が無く貴重な症例と考えられた。文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 胃粘膜下腫瘍, CT gastrography |