セッション情報 研修医セッション(卒後2年迄)

タイトル 59:

盲腸癌による成人腸重積症の1例

演者 吉田 祐士(日本医科大学付属病院 研修医)
共同演者 進士 誠一(日本医科大学 消化器外科), 菅 隼人(日本医科大学 消化器外科), 山田 岳史(日本医科大学 消化器外科), 小泉 岐博(日本医科大学 消化器外科), 高田 英志(日本医科大学 消化器外科), 山岸 杏彌(日本医科大学 消化器外科), 原 敬介(日本医科大学 消化器外科), 吉岡 将史(日本医科大学 消化器外科), 内田 英二(日本医科大学 消化器外科)
抄録 【はじめに】成人の腸重積症は比較的稀な疾患であり,器質的な疾患に起因することが多いとされている.盲腸癌・虫垂癌を先進部として下行結腸まで重積した報告は本邦における医中誌(1983年から2013年8月)で検索しえた範囲では5例のみである.【症例】56歳,女性【主訴】腹部膨満感,腹痛【現病歴】平成24年1月より慢性的な腹痛,下痢を認めていた.平成25年5月中旬から腹部膨満感と食欲不振が出現.7月主訴が増強し当院救命救急センターに搬送され,腸閉塞の診断で緊急入院と成った.【入院時現症】身長155cm, 体重40kg, 体温37.2度,血圧133/78mmHg,脈拍97回/分.腹部は膨隆していたが腹膜刺激症状は認めず聴診で鼓音を認めた.血液生化学検査ではWBC 10,100/ul,CRP 1.1mg/dl,BUN 31.3mg/dl,Cre 0.43mg/dl,Alb 1.7g/dlと軽度の炎症反応と脱水および低栄養状態を認めた.腹部CT検査にて上行結腸,横行結腸が腸間膜とともに下行結腸に陥入し,小腸にニボー形成を伴った拡張を認めた.【治療経過】イレウス管による減圧治療を開始.入院後第2病日に緊急開腹手術を施行した.開腹時,盲腸部を先進部とした腸重積を認め,Hutchinson手技で整復した.盲腸先進部には巨大腫瘍を触知したため,盲腸癌と診断し回腸部分切除術(D3)を施行した.病理検査の結果,por1,SS,N3(4/11),pStage IIIbであった.術後経過は比較的良好で,術後17日目に退院.現在,術後補助化学療法としてUFT/LV療法を施行中である.【結語】今回,我々は下行結腸まで重積した盲腸癌の1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.
索引用語 大腸癌, 腸重積