セッション情報 研修医セッション(卒後2年迄)

タイトル 71:

膵頭十二指腸切除後に発症した二次性非アルコール性脂肪性肝炎の一例

演者 木下 勇次(東京慈恵会医科大学附属第三病院 消化器肝臓内科)
共同演者 木下 晃吉(東京慈恵会医科大学附属第三病院 消化器肝臓内科), 田中 賢(東京慈恵会医科大学附属第三病院 消化器肝臓内科), 小野田 泰(東京慈恵会医科大学附属第三病院 消化器肝臓内科), 今井 那美(東京慈恵会医科大学附属第三病院 消化器肝臓内科), 岩久 章(東京慈恵会医科大学附属第三病院 消化器肝臓内科), 大石 睦実(東京慈恵会医科大学附属第三病院 消化器肝臓内科), 小林 剛(東京慈恵会医科大学附属第三病院 消化器肝臓内科), 小林 裕彦(東京慈恵会医科大学附属第三病院 消化器肝臓内科), 伏谷 直(東京慈恵会医科大学附属第三病院 消化器肝臓内科), 坂部 俊一(東京慈恵会医科大学附属第三病院 消化器肝臓内科), 木島 洋征(東京慈恵会医科大学附属第三病院 消化器肝臓内科), 宮川 佳也(東京慈恵会医科大学附属第三病院 消化器肝臓内科), 小池 和彦(東京慈恵会医科大学附属第三病院 消化器肝臓内科), 西野 博一(東京慈恵会医科大学附属第三病院 消化器肝臓内科), 田尻 久雄(東京慈恵医科大学附属病院 )
抄録 【症例】63歳女性【主訴】倦怠感【既往歴】58歳高血圧、62歳膵性糖尿病【現病歴】2011年2月に当院外科で早期十二指腸癌、膵管内乳頭粘液性腺腫(IPMA)に対して膵頭十二指腸切除(PD)を施行した。手術後、倦怠感、嘔気、食思不振、体重減少を自覚し、定期診察時の血液検査にて、肝酵素上昇(AST/ALT 750/800)を指摘された。2011年7月に他院にて入院精査するも原因不明であった。以後、約2年間に亘り肝機能障害が遷延していた。2013年2月当科紹介となり、精査目的で6月入院した。肝生検の結果、中-大滴性の脂肪沈着、肝細胞のballooning、炎症細胞の浸潤、中心静脈域の線維性変化を認めた。臨床経過、肝組織所見から、PD後に発症した二次性の非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)と診断した。2013年8月より外来でパンクレリパーゼ製剤による膵酵素補充療法を開始し、現在経過観察中である。【結語】PD後に発症した二次性NASHの一例を経験した。PD後のNASHは一般的な非アルコール性脂肪性肝障害(NAFLD)/NASHと患者背景が異なり、膵、十二指腸における内外分泌機能低下が発症に寄与していると考えられる。そのため治療として膵酵素補充療法の効果が期待されている。また、診断・治療には、外科、内科の緊密な連携が不可欠である。
索引用語 膵頭十二指腸切除, 非アルコール性脂肪性肝炎