セッション情報 一般演題

タイトル 93:

S状結腸癌を先進部とする成人腸重積症の1例

演者 上田 真裕(永寿総合病院 消化器内科)
共同演者 一松 収(永寿総合病院 消化器内科), 栗田 聡(永寿総合病院 消化器内科), 吉田 英雄(永寿総合病院 消化器内科)
抄録 成人の腸重積は稀であり、我々はS状結腸癌を先進部とする成人腸重積の症例を経験したため報告する。症例は81歳女性で、3週間前からの頭痛のため入院した。諸検査の結果、側頭動脈炎と診断しPSL内服を開始した。入院時よりヘモグロビン10~11g/dlと軽度の貧血を認め、上部消化管内視鏡検査では貧血をきたす病変は認めず、下部消化管内視鏡検査を行ったところS状結腸に全周性の狭窄病変を認め、2型進行大腸癌と診断した。術前検査で心室瘤の合併が判明し、待機中に腹痛および便秘傾向が出現し通過障害が顕在化してきた。緊急的に経肛門的にイレウスチューブ挿入を試みたが、肛門側への大腸癌の突出を認め施行困難であり、腹部CTと合わせて腸重積と診断した。当院での緊急手術も検討したが、心室瘤合併のため心臓血管外科対応可能な病院へ緊急で転院した。側頭動脈炎に対しPSL内服中であること、また腸重積にともなう腸閉塞による腸管浮腫のため吻合は危険性が高いと判断し転院先でHartmann手術を施行した。術後経過は良好で、現在当院で側頭動脈炎のフォローを行なっている。
索引用語 S状結腸癌, 腸重積症