セッション情報 | 研修医セッション(卒後2年迄) |
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タイトル | 62:化学療法が著効した転移性多発肝腫瘍の1例 |
演者 | 山田 志保(相模原協同病院 初期臨床研修医) |
共同演者 | 中目 哲平(相模原協同病院 消化器センター), 長谷川 力也(相模原協同病院 消化器センター), 三島 孝仁(相模原協同病院 消化器センター), 矢野 貴史(相模原協同病院 消化器センター), 石黒 康浩(相模原協同病院 消化器センター), 村田 東(相模原協同病院 消化器センター), 荒木 正雄(相模原協同病院 消化器センター), 高橋 知秀(相模原協同病院 消化器センター), 風間 暁男(相模原協同病院 病理診断科) |
抄録 | 【症例】50歳、男性。【既往歴】平成18年4月に他院で胃癌(por)に対しESD施行。平成23年5月に近医で上部内視鏡(GIF)施行し、前庭部にSMTを認めEUS施行し迷入膵の診断となった。【現病歴】平成23年12月に吐下血認め当院搬送となり、出血性十二指腸潰瘍の診断で入院。その後外来で経過観察していた。平成24年3月、上腹部違和感および嘔気出現し近医受診したところ、腹部CTで多発肝腫瘍を認め転移性肝腫瘍が疑われた。【経過】GIFにて以前認められた前庭部のSMTは増大傾向にあり、鑑別として胃癌再発、GIST、十二指腸癌が考えられた。生検の結果group1、c-kit(-)、CD24(-)であり診断には至らなかったため肝腫瘍生検を施行した。病理診断でadenocarcinoma,por>tub2であり、十二指腸癌およびESD後再発が鑑別として考えられた。平成18年のESD病変は、適応拡大病変で完全切除が得られたが一部未分化の細胞を認めたこと、十二指腸癌は非常に稀であること、1年以内のGIFで十二指腸腫瘍を認めていないことから十二指腸癌よりも胃癌再発を疑い、3月29日からTS-1+CDDPを導入した。TS-1 120mg/day服用後から嘔吐出現し、GIFにて前庭部SMTの増大による狭窄を認めたため、4月4日に十二指腸ステント留置。その後TS-1内服再開し、4月6日にCDDP(60 mg/m2)投与。その後TS-1+CDDPを11コース施行し、肝転移は著明に縮小し、GIF、CTにてPRを維持している。11コース終了後、CDDPによる四肢のしびれが出現したためTS-1(120mg/day)単剤療法で加療を継続。しかし、フォローのCTにて大動脈周囲のリンパ節腫大を認めたためCDDP(100mg/ m2)を再度併用した。現在TS-1+CDDP13コース終了しているが、肝臓にはごく小さな転移を認めるのみでPRを維持している。今回診断には難渋したが、化学療法が著効した転移性多発肝腫瘍の一例を経験したので報告する。 |
索引用語 | 化学療法, 肝転移 |