セッション情報 | 専修医セッション(卒後3-5年) |
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タイトル | 1:海老煎餅による胃穿通の一例 |
演者 | 片山 正(佐野厚生総合病院 消化器内科) |
共同演者 | 岡村 幸重(佐野厚生総合病院 消化器内科), 上岡 直史(佐野厚生総合病院 消化器内科), 吉野 雄大(佐野厚生総合病院 消化器内科), 小林 真介(佐野厚生総合病院 消化器内科), 白石 貴久(佐野厚生総合病院 消化器内科), 上原 淳(佐野厚生総合病院 消化器内科), 寺本 研(佐野厚生総合病院 消化器内科), 東澤 俊彦(佐野厚生総合病院 消化器内科) |
抄録 | 症例は37歳、女性。2013年6月に心窩部不快感を自覚し、上部消化管内視鏡検査を実施されたが特記すべき異常所見を認めず、機能性ディスペプシアが疑われていた。同年7月2日から友人と旅行に行き、7月4日の夜に海老煎餅などを食べた。7月9日の朝から心窩部違和感を自覚した。以前に経験した事のある痛みであり、経過をみていたが、7月11日の朝から37.7℃の発熱、全身倦怠感、全身の関節痛を認め、当院内科を受診した。上腹部に軽度の圧痛を認め、WBC 11000 /μl、CRP 16.22 mg/dlと炎症反応高値を認めた。腹部超音波では胃噴門部近位、肝臓との間に低エコー病変を認め、腹部造影CTでは胃前庭部の腹側に石灰化を伴う低吸収域を認め、異物による消化管穿孔と膿瘍形成が疑われた。緊急入院し、当院外科で緊急手術が行われた。開腹術が行われたところ、異物による胃結腸間膜への胃穿通、膿瘍形成と診断された。膿瘍腔を切除し、穿孔部位を漿膜筋層で閉鎖した。術後、本人に異物を確認してもらったところ、7日前に摂食した海老煎餅であった。術後経過は良好で7月15日に食事を開始し、7月17日に腹腔内ドレーンを拔去し、7月21日に退院した。異物による消化管穿孔は大腸や小腸において多く、胃穿孔は比較的稀である。また日本においては、その報告の異物の大部分は魚骨であり、それ以外の報告は珍しい。海老煎餅による胃穿通という珍しい症例を経験したので文献学的考察を含めて報告する。 |
索引用語 | 消化管穿孔, 消化管異物 |