セッション情報 | 研修医セッション(卒後2年迄) |
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タイトル | 74:術前に高分化型肝細胞癌との鑑別が困難であった腫瘤形成型胆管細胞癌の一例 |
演者 | 小林 久人(横浜市立市民病院 消化器内科) |
共同演者 | 諸星 雄一(横浜市立市民病院 消化器内科), 福田 知広(横浜市立市民病院 消化器内科), 大野 惠子(横浜市立市民病院 消化器内科), 伊藤 剛(横浜市立市民病院 消化器内科), 角田 祐也(横浜市立市民病院 消化器内科), 今村 諭(横浜市立市民病院 消化器内科), 田村 寿英(横浜市立市民病院 消化器内科), 長久保 秀一(横浜市立市民病院 消化器内科), 小池 祐司(横浜市立市民病院 消化器内科), 藤田 由里子(横浜市立市民病院 消化器内科), 薮野 太一(横浜市立市民病院 消化器外科), 望月 康久(横浜市立市民病院 消化器外科), 小松 弘一(横浜市立市民病院 消化器内科) |
抄録 | 症例は63歳女性。非B・非C肝炎、非アルコール肝硬変(Child-Pugh分類 A) にて当院通院中であった。2013年1月定期検査の腹部超音波検査にて肝右葉内側区に径12mmの辺縁低エコー帯を伴う腫瘤性病変を認めた。ヨードアレルギーのため造影CT検査は困難で、EOB・プリモビストによる造影MRIを施行。同部位にT1強調で低信号、T2強調で高信号、拡散強調で高信号を示す腫瘤を認めた。造影剤のwash outも認めており、典型的な高分化型肝細胞癌と考えられた。肝表面に突出しておりラジオ波焼灼術は手技的に困難であること、造影剤アレルギーがあり肝動脈塞栓術はリスクを伴うこと、そして単発であり十分な肝予備能があることより外科的手術を選択。同年3月に当院消化器外科にて肝S4部分切除術が施行された。切除検体の病理検査の結果、肝細胞癌ではなく、胆管細胞癌(腫瘤形成型、Fc-Inf-, sf-, CK7陽性: pStage1)と診断された。術後経過は良好で現在外来にて経過観察中であるが、再発を認めていない。本症例は境界明瞭な腫瘤として描出され画像上典型的な高分化型肝細胞癌の所見であり、術前に胆管細胞癌の診断を下すことは困難であった。肝癌の中心的治療を担うラジオ波焼灼術や肝動脈塞栓術は、病理学的裏付けがなく画像診断のみで施行される施設が多い。肝癌の治療に肝内胆管癌の鑑別は必須であり、警鐘を鳴らす意味でも若干の文献的考察を加えて画像所見を中心に本症例を呈示する。 |
索引用語 | 管内胆管癌, 高分化型肝細胞癌 |