セッション情報 |
研修医セッション(卒後2年迄)
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タイトル |
73:Telaprevir 3剤併用療法においてうつ症状を合併した症例に対しIFNβに切り替え治療を完遂した2症例
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演者 |
大久保 知美(日本医科大学千葉北総病院 消化器内科) |
共同演者 |
厚川 正則(日本医科大学千葉北総病院 消化器内科), 近藤 千紗(日本医科大学千葉北総病院 消化器内科), 中川 愛(日本医科大学千葉北総病院 消化器内科), 糸川 典夫(日本医科大学千葉北総病院 消化器内科), 鈴木 将大(日本医科大学千葉北総病院 消化器内科), 星野 慎太朗(日本医科大学千葉北総病院 消化器内科), 楠 正典(日本医科大学千葉北総病院 消化器内科), 田中 周(日本医科大学千葉北総病院 消化器内科), 岩切 勝彦(日本医科大学千葉北総病院 消化器内科), 川本 智章(日本医科大学 消化器肝臓内科), 坂本 長逸(日本医科大学 消化器肝臓内科) |
抄録 |
症例1は64歳女性, IL28B genotype TT. 2年前のPEG-IFNα2a/ribavirin併用療法でrelapseであった. 前回治療中にうつ症状を認めており対象療法で治療完遂した. 前治療relapse例の3剤併用療法の成績が良好であると報告されていたことから同意のもと3剤併用療法を導入した. 治療開始day10より嘔気, 不眠があり対症療法施行, day28より心窩部痛, day49より倦怠感, day70に無気力などうつ症状が出現した. この時点のHAMDは27点, BDI-2は18点であった. RVRを獲得しており治療効果も期待できることから同意のもと TVRを中止しIFNβ/ribavirin併用療法に切り替え治療を継続した. day77には明らかにうつ症状は軽快し食欲旺盛となり合計24週の治療を完遂した. 治療効果はSVRと判定された. 症例2は64歳女性, IL28B genotype TG. 3年前にPEG-IFNα2b/ribavirin施行しpartial responseであった. 治療経過中3か月頃よりうつ症状を認め, かつ治療効果も不十分であったことから治療中止となった. 本症例は肝線維化進行(F3)例であり将来の発癌のリスクが高いことも含め本人同意のもと3剤併用療法を導入した. Day28時点で前治療より体調良好との発言あり, day35時点で食欲旺盛, 体重増加を認めていた. day49より不眠が出現したもののTVRは完投した. しかしDay91より意欲低下, 食欲低下などうつ症状を認め, 同意のもとIFNβ/ribavirin療法に切り替えた. この時点でのHAMDは25点, BDI-2が41点であった. Day119時点でうつ症状は完全に消失し24週の治療を完遂した. 現在効果判定中である. 2症例の共通点は前回のα製剤の治療でうつ症状の経験がある点である. 現在の1型高ウィルス量のSOCはtelaprevirを含む3剤併用療法であるがtelaprevirとIFNβの併用は認められていない. 2症例ともtelaprevir終了後にα製剤をβ製剤に変更しうつ症状の改善と治療の完遂を得た貴重な症例と考える. 3剤併用療法の治療成績とIFNβの特徴に関し若干の文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 |
C型慢性肝炎, うつ症状 |