セッション情報 専修医セッション(卒後3-5年)

タイトル 27:

EST(内視鏡的乳頭切開術)が有効であった胆道拡張症Alonso-LejIII型の2例

演者 織畑 光一(東京逓信病院 外科)
共同演者 加門 辰也(東京逓信病院 外科), 北原 慧(東京逓信病院 外科), 和田 由美恵(東京逓信病院 外科), 寺下 勇祐(東京逓信病院 外科), 長谷川 智彦(東京逓信病院 外科), 竹島 雅子(東京逓信病院 外科), 下里 あゆ子(東京逓信病院 外科), 永吉 実紀子(東京逓信病院 外科), 佐藤 兼俊(東京逓信病院 外科), 梅谷 直亨(東京逓信病院 外科), 桐原 勇次郎(東京逓信病院 外科), 奥田 純一(東京逓信病院 外科), 津久井 元(東京逓信病院 外科), 寺島 裕夫(東京逓信病院 外科)
抄録 先天性胆道拡張症は本邦に多い疾患であるとされるが、十二指腸壁内に嚢腫を形成するAlonso-LejIII型の報告例は少なく、そのうち内視鏡的治療に関する報告はさらに少ない。われわれはAlonso-LejIII型に対してESTが有効であった2例を経験したので報告する。症例1は27歳女性。2日前から続く上腹部痛、嘔吐の症状で来院した。採血にて膵酵素, 肝胆道系酵素の著明な高値を認め, 急性膵炎の診断で入院した。入院時のMRCP所見とCT所見により、十二指腸壁内に胆管瘤を形成しており、Alonso-LejIII型と診断した。入院後、急性膵炎に対して保存的治療を行い膵酵素は改善を認めたが、肝胆道系酵素は改善せず、入院9日目にESTを施行した。その後肝胆道系酵素の改善を認め、15日目に退院した。症例2は79歳男性。入院1週間前に食後の心窩部痛を認めた。再度食事後の心窩部痛を認め症状改善しないため来院した。採血にて膵酵素上昇を認め, 急性膵炎の診断となり入院した。入院時のMRCPでは総胆管末梢の胆管瘤に膵管が合流していた。CTでは胆管瘤は十二指腸壁内にあると考えられた。以上の所見によりAlonso-LejIII型と診断した。急性膵炎に対して保存的治療を行い入院2日目に膵酵素は改善を認めたが、3日目に膵酵素が再び上昇したため4日目にESTを施行した。その後症状改善し入院9日目に退院した。Alonso-LejIII型は、胆道拡張症の1%~2.5%と稀であり、治療に関しても有効な報告例は少ない。今回ESTが非常に有効と思われた例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 胆道拡張症, EST