セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 87:PPI服薬中GERD患者における症状残存の現状 |
演者 | 内藤 純行(千木良診療所) |
共同演者 | 中川 潤一(津久井赤十字病院内科), 渡久山 哲男(津久井赤十字病院内科), 伊藤 俊(津久井赤十字病院内科), 小野 嘉文(藤野診療所), 荻原 俊(青野原診療所), 高畑 丞(青野原診療所), 黒鳥 偉作(津久井赤十字病院内科), 柳橋 崇史(津久井赤十字病院内科), 田中 聡(津久井赤十字病院内科) |
抄録 | 【はじめに】GERD診療ガイドラインでは第一選択薬として、プロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor:PPI)が推奨されている。しかし、臨床においてGERDに対するPPI治療の満足度が低いという現状が、近年報告され、GerdQ問診票を用いた調査では、48.8%~71.8%に週に1日以上の症状残存が報告されている。この高い症状残存率は、実際の臨床現場の実感とはやや乖離がある。我々は多施設において、PPI服薬中のGERD患者における症状残存の現状を検討した。【方法】参加28施設に通院中の、PPI服用中のGERD患者404名を対象にGerdQの質問項目の中から、胸やけと呑酸の症状残存を調査対象とし、また生活への影響の評価として、症状による睡眠障害の有無、市販薬服用の頻度に関し、過去1週間の頻度を項目ごとに「全くない」、「1日」、「2~3日」、「4~7日」の中から回答させた。症状残存の評価においては上記4項目のうち、どれか1つでも週1日以上の頻度が認められた場合を「症状残存あり」として評価し、治療効果の判定に及ぼす要因を、χ2検定により検討した。【結果】週1回以上の症状出現は、胸やけで28.7%、呑酸で27.5%の患者で認められ、どちらかの症状がある(何らかの症状が残存する)のは、39.4%であった。性別と症状残存において有意差は無く、内服PPI常用量間の比較と年齢において有意差が認められた(p<0.05)。【結語】PPIの治療効果の実態を把握可能な問診ツールであるGerd Qのような質問票の使用等により患者症状を拾い上げることも重要である。症状をより強力にコントロールする上で従来のPPIよりも強い酸分泌抑制効果を持つとされているエソメプラゾールに期待がかかる。 |
索引用語 | GERD, 症状残存 |