セッション情報 | 研修医セッション(卒後2年迄) |
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タイトル | 66:当院におけるBRTO・PTOの治療成績の検討 |
演者 | 小林 優也(国立病院機構 災害医療センター 消化器内科) |
共同演者 | 田中 匡実(国立病院機構 災害医療センター 消化器内科), 島田 祐輔(国立病院機構 災害医療センター 消化器内科), 原田 舞子(国立病院機構 災害医療センター 消化器内科), 林 昌武(国立病院機構 災害医療センター 消化器内科), 佐々木 善浩(国立病院機構 災害医療センター 消化器内科), 上市 英雄(国立病院機構 災害医療センター 消化器内科), 川村 紀夫(国立病院機構 災害医療センター 消化器内科), 平田 啓一(国立病院機構 災害医療センター 消化器内科) |
抄録 | 【目的】BRTO(balloon-occluded transfemoral obliteration)とPTO(Percutaneous transhepatic obliteration)は、現在孤立性胃静脈瘤の治療目的として行われている。治療適応としては、破裂または破裂の危険性のある胃腎シャントのある胃静脈瘤、肝性脳症の原因となる門脈大循環シャントが存在する場合に施行されている。そこで、当院にて2010年10月より2013年9月までの3年間に施行されたBRTOとPTOに関して後ろ向きの検討を行い、その有効性について検討した。【方法】患者数は14名で内訳は男性9名、女性5名、平均年齢は62.1歳(男52.8歳、女66.4歳)であった。その内訳はBRTOが11例、PTOが3例で施行された。原因疾患としてアルコール性肝硬変が7例と最多で、その他はC型肝硬変4例、肝外門脈閉塞症 1例、NASH 1例、詳細不明1例であった。Child Pugh分類ではAが43%、Bが50%、詳細不明7%であり、目的としては出血予防が50%、破裂の治療が29%、脳症コントロールが21%であった。【結果】静脈瘤破裂症例、破裂予防症例ではいずれも内視鏡的な改善をみとめ、再破裂や破裂などは1例も起こっていない。また、脳症コントロールでは1例が脳症の再発を認めたものの、これはBRTO後の門脈血栓が原因であった。【考察及び結論】BRTOやPTOは内視鏡的に治療困難な静脈瘤の破裂予防や難治性の脳症治療に大変有効な治療法と考えられた。合併症として、発熱、肺水腫・腹水、肝障害、腎障害、食道静脈瘤を増悪させる可能性があるが、静脈瘤に対して有効な治療法として位置づけられている。ただし、門脈塞栓のリスクなどもあり、十分な説明を行い、注意して実施しなければいけない。 |
索引用語 | BRTO, 胃静脈瘤 |