セッション情報 | 研修医セッション(卒後2年迄) |
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タイトル | 84:典型的な画像所見を呈した、高齢者の原発性ヘモクロマトーシスの一例 |
演者 | 後藤 駿吾(横浜市立大学附属病院消化器内科) |
共同演者 | 有本 純(横浜市立大学附属病院消化器内科), 留野 渉(横浜市立大学附属病院消化器内科), 今城 健人(横浜市立大学附属病院消化器内科), 馬渡 弘典(横浜市立大学附属病院消化器内科), 飯田 洋(横浜市立大学附属病院消化器内科), 関野 雄典(横浜市立大学附属病院消化器内科), 酒井 英嗣(横浜市立大学附属病院消化器内科), 日暮 琢磨(横浜市立大学附属病院消化器内科), 細野 邦弘(横浜市立大学附属病院消化器内科), 遠藤 宏樹(横浜市立大学附属病院消化器内科), 高橋 宏和(横浜市立大学附属病院消化器内科), 米田 正人(横浜市立大学附属病院消化器内科), 古出 智子(横浜市立大学附属病院消化器内科), 稲森 正彦(横浜市立大学附属病院消化器内科), 桐越 博之(横浜市立大学附属病院消化器内科), 前田 愼(横浜市立大学附属病院消化器内科), 中島 淳(横浜市立大学附属病院消化器内科), 斉藤 聡(横浜市立大学附属病院消化器内科) |
抄録 | 症例は71歳、女性。33歳時に甲状腺腫に対して甲状腺摘出術施行され、その後甲状腺機能低下症・副甲状腺機能低下症で内服加療されていた。50歳頃より不安神経症も認めていた。過去に肝機能障害の既往や飲酒歴、輸血歴はなくHBs抗原及びHCV抗体は陰性であった。今回、近医で肝脾腫及び血小板低下を指摘され、精査・加療目的に当科紹介、入院となった。当科入院時の身体所見では、右肋弓下で肝を2横指触知し、手指・顔面では青銅色の着色を認めた。また、入院時の血液検査ではPlt 7.0×104/μl、AST 83 U/l、ALT 93U/l、Fe 257 ug/dl、トランスフェリン 193 mg/dl、フェリチン 8780、総鉄結合能 245ug/dl、ヒアルロン酸 108ng/ml、4型コラーゲン7S 9.7ng/mlと血小板低下と鉄代謝異常を認めた。当科で施行したCTで肝のびまん性の高吸収を認め、ヘモクロマトーシスを疑いMRI及び肝生検を施行した。MRIではT2強調像でびまん性の低信号域を認め、典型的な画像所見と考えられた。肝生検では肝細胞内に褐色色素が高度に沈着しており、ベルリンブルー染色で陽性のヘモジデリン沈着が認められ、ヘモクロマトーシスと診断した。その後施行した心臓超音波検査では心機能の低下は認めなかった。本症例では二次性のヘモクロマトーシスを疑うエピソードはなく原発性ヘモクロマトーシスと診断したが、遺伝子検査ではHFE遺伝子H63D、C282Yに遺伝子変異は認めなかった。原因不明の肝機能障害に対して精査にてヘモクロマトーシスの診断に至った一例を経験した。原発性ヘモクロマトーシスの発症機序に関して若干の文献的考察をふまえて報告する。 |
索引用語 | ヘモクロマトーシス, 遺伝子異常 |