セッション情報 | 専修医セッション(卒後3-5年) |
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タイトル | 6:CDDP/CPT-11投与後に治癒切除できたNEC食道癌の一例 |
演者 | 米永 晃子(東京都立墨東病院 外科) |
共同演者 | 和田 郁雄(東京都立墨東病院 外科), 若松 高太郎(東京都立墨東病院 外科), 高濱 佑己子(東京都立墨東病院 外科), 西川 武司(東京都立墨東病院 外科), 脊山 泰治(東京都立墨東病院 外科), 真栄城 剛(東京都立墨東病院 外科), 宮本 幸雄(東京都立墨東病院 外科), 梅北 信孝(東京都立墨東病院 外科) |
抄録 | 【目的】神経内分泌癌(NEC)は食道癌の中でも悪性度が高く、治癒切除まで施行できる例はわずかである。今回、我々はNECと診断し切除困難であったものの、CDDP/CPT-11を2コース施行した後に、治癒切除が施行できた食道癌NEC症例を経験したので報告する。【方法】症例は74歳、男性。2013年3月中旬に嚥下障害が出現し4月に近医を受診、近医での上部消化管内視鏡検査にて、切歯より22cmの上部食道に10cmにわたる2/3周性の食道癌が指摘され、当科紹介受診となった。病理結果でNECであることが判明し、CT検査にて大動脈壁への浸潤が疑われたことから、FPを1コース施行したが、CTにてSDであり、レジメン変更しCDDP/CPT-11を2コース施行した。1コース終了後に発熱性好中球減少症をきたし、2コース目は80%doseで施行した。既往にCOPD、狭心症、HCVによる肝硬変があり、術前リスクは高かったものの、上部消化管内視鏡検査にて病変の縮小がみられ、またCTでも縦隔リンパ節の縮小がみられたために治癒切除可能であると考え、手術適応と判断した。2013年9月、右開胸開腹による食道切除術、2領域リンパ節郭清、脾摘、腸瘻増設術を施行した(手術時間:8時間55分、出血量:1,305g)。術後はICU管理とし、3PODに一旦抜管できたものの、術後肺炎をきたし再挿管、16PODに気管切開術を施行した。12PODに頸部縫合不全を発症、25PODに腹部正中創の創離解をきたし、再縫合行い、入院加療中である。病理診断はNECであり、pT3(AD), pN2(1/30), StageIIIであった。【成績】現時点でNECに対する化学療法の標準治療は定まっていない。本症例では、FP療法は無効であったが、CDDP/CPT-11によりPRを得ることができた。【結論】切除困難であった食道癌NEC症例に対し、CDDP/CPT-11投与後に治癒切除が施行できた。 |
索引用語 | NEC, CDDP/CPT-11 |