セッション情報 専修医セッション(卒後3-5年)

タイトル 35:

胆嚢原発神経内分泌癌の一剖検例

演者 高木 薫子(水戸医療センター 消化器内科)
共同演者 吉田 茂正(水戸医療センター 消化器内科), 佐藤 大幹(水戸医療センター 消化器内科), 下山田 雅大(水戸医療センター 消化器内科), 伊藤 有香(水戸医療センター 消化器内科), 石田 博保(水戸医療センター 消化器内科), 山口 高史(水戸医療センター 消化器内科), 大谷 明夫(同 病理診断科)
抄録 AFPの著明な高値を伴った胆嚢原発神経内分泌癌の剖検例を報告する。【症例】70歳女性。【現病歴】2週間前からの全身倦怠感、黄疸を主訴に近医を受診し、多発肝腫瘍を疑われ精査目的に当院紹介、入院となった。【現症】腹部に硬い肝を7横指触知。【血液所見】AST 231IU/l, ALT 59 IU/l, ALP 2205IU/l, GGT 567IU/l, LD 2489IU/l, T-Bil 8.9mg/dl, HBs抗原陰性, HCV抗体陰性, CEA 116ng/ml, CA19-9 1870U/ml, AFP 255180ng/mlと著明なAFPの上昇を認めた。【画像所見】超音波で肝内は多数の腫瘍に置換され、背景の肝実質は描出できなかった。腫瘍は中心部低エコー、嚢胞様など様々なエコーパターンを呈していた。また2cm大の胆石を認め、胆嚢内はsludgeで充満していた。CTでも肝は著しく腫大し、実質は多数の腫瘍でほぼ置換されていた。腫瘍は境界不明瞭な低吸収で、造影動脈相で辺縁から濃染した。内部は平衡相でも低吸収のままであった。転移性肝腫瘍が疑われたが、画像上原発巣は明らかではなかった。胆嚢底部に壁肥厚を認め腺筋腫症が疑われた。【経過】肝不全のため入院第8病日に死亡した。剖検で、胆嚢は腫瘍で充満しており原発と考えられた。とくに底部で内腔に充実性腫瘍がみられた。肝臓への直接浸潤はなかった。組織型は混合型腺内分泌細胞癌であった。高分化型の管状および乳頭状腺癌成分と神経内分泌癌成分が共存しており、両成分は一部移行があるようにもみえた。神経内分泌癌成分はCD56陽性、Chromogranin陽性、一部はさらにSynaptophysin陽性であった。腺癌成分はMUC1陽性、MUC5AC陽性であった。Ki67 indexは神経内分泌癌成分、腺癌成分とも最大で50%であった。肝、両側肺、肝門部および膵周囲リンパ節などに転移を認めた。転移巣については、基本的に神経内分泌成分からなっており、神経内分泌癌がより高悪性度であったことを示していると考えられた。神経内分泌癌は増殖能および悪性度が高く、予後不良な疾患とされている。AFP高値を示した胆嚢原発神経内分泌癌は非常に稀で、ごくわずか報告がある程度である。貴重な症例と思われたため報告する。
索引用語 神経内分泌癌, 胆嚢原発