セッション情報 一般演題

タイトル 48:

術後7ヶ月に腹壁転移を生じた膵癌の一例

演者 鹿志村 純也(水戸済生会総合病院 消化器内科)
共同演者 長瀬 秀顕(水戸済生会総合病院 消化器内科), 宗像 紅里(水戸済生会総合病院 消化器内科), 柏村 浩(水戸済生会総合病院 消化器内科), 中村 琢也(水戸済生会総合病院 消化器内科), 濱中 紳策(水戸済生会総合病院 消化器内科), 大川原 健(水戸済生会総合病院 消化器内科), 渡辺 孝治(水戸済生会総合病院 消化器内科), 浅野 康治郎(水戸済生会総合病院 消化器内科), 仁平 武(水戸済生会総合病院 消化器内科)
抄録 【はじめに】膵癌での遠隔転移は肝臓、腹膜、肺に多くみられ腹壁転移を生じることは稀であり報告も少ない。【症例】68歳、男性。(主訴)腹壁の痛み。(既往歴)60歳時に脳梗塞、63歳時に狭心症にてステント治療を行った。この際に腹部大動脈瘤が発見されたが経過観察となった。(現病歴)動脈瘤の経過観察目的で施行したCTで膵尾部に径40mmの腫瘤が発見された。脾動脈と脾静脈への浸潤がありT4と判断したが、有意なリンパ節腫大や遠隔転移を認めず、切除可能なstage IV aの膵尾部癌と診断した。腫瘍マーカーはCA19-9が2413.8と高値であった。脾臓合併膵体尾部切除術を施行して11番リンパ節に転移を確認した。T4N1M0のstage IV aと判断されてCA19-9も35.4と正常化した。術後1ヶ月からTS-1による術後補助化学療法を導入して120mg/日で28日投与14日休薬のスケジュールで有害事象も特になく4コースを施行した。術後7ヶ月めにCA19-9が761.3と急激に増加するとともに腹壁に痛みを伴う腫瘤が出現してきた。造影CTを行うと腹壁に20mmの腫瘤を3か所に認めた。腹壁転移を疑い針生検を施行したが線維成分のみで悪性細胞は認めなかった。そこで切開して腫瘤の一部を採取して病理学的検討を行った。線維血管結合組織の中に腺腔形成を伴う異型細胞が見られ、小胞巣状パターンも認めて膵癌の転移と診断された。治療として転移巣の切除も検討したが肝転移も明らかとなりジェムザールによる化学療法に変更した。1回めに1000mg/kg体重=1600mg投与したがグレード4の好中球減少を生じたことから1200mg/bodyを隔週投与としたが、5ヶ月のSDの後はPDとなっている。【考案】膵癌の腹壁転移は開腹時の術創部や腹腔鏡ポート部に生じたとの報告があり手術操作時のimplantationによると考えられている。本症例も腫瘤は手術時の縫合部に一致して存在していることから同様の機序により生じた可能性が高い。しかし、開腹時やその後の経過で腹膜播種を示唆する所見は見られず、腹壁に癌細胞が生着する理由は明らかでない。稀な病態と考えられ報告した。
索引用語 膵癌, 腹壁転移