セッション情報 一般演題

タイトル 99:

べバシツマブをBBPとして使用し長期治療継続している痔瘻癌の一例

演者 綿引 隆久(日立製作所日立総合病院 消化器内科)
共同演者 鴨志田 敏郎(日立製作所日立総合病院 消化器内科), 佐々木 翔一(日立製作所日立総合病院 消化器内科), 竹内 千尋(日立製作所日立総合病院 消化器内科), 大河原 敦(日立製作所日立総合病院 消化器内科), 大河原 悠(日立製作所日立総合病院 消化器内科), 柿木 信重(日立製作所日立総合病院 消化器内科), 平井 信二(日立製作所日立総合病院 消化器内科), 岡 裕爾(日立製作所日立総合病院 消化器内科), 谷中 昭典(筑波大学附属病院 日立社会連携教育センター)
抄録 症例】66歳男性【既往歴】28歳時虫垂炎、44歳時胃潰瘍、65歳時、前立腺肥大症【現病歴】1970年頃より痔瘻があり2002年3月より痔瘻部の疼痛と排膿が増加し,1か月で5kgの体重減少もあり、2002年8月当院外科受診.肛門に易出血性の排膿を伴う5cm大の腫瘤を認め、生検の結果adenocarcinomaの結果が得られ、痔瘻癌と診断された。同年9月18日マイルス手術を施行した。その後2年間経口抗がん剤を服用し、5年間再発はなく外科通院終診となった。2009年11月より殿部の膨隆が明らかになり、また尿閉の症状が出現した。2010年1月10日に左鼡径ヘルニア嵌頓で近医受診。1月13日に手術目的で当院外科紹介となった。mucinousな腫瘍であり脊索腫などの腫瘤を考え整形外科紹介後、G病院を紹介受診。細胞診にてmucinous adenocarcinomaとの診断で最終的に痔瘻癌の再発と考えられた。ご本人、ご家族様が化学療法を希望され、2010年2月8日当科紹介受診となった。【経過】FOLFOX+ベバシズマブを計11コース施行した時点でアレルギー症状がみられ、その後FOLFIRI+ベバシズマブに変更した。FOLFIRIに変更後下痢症状の悪化がみられ、3週に1度の化学療法とし、計42コース施行した。自覚症状に変化なく経過し、また腫瘍マーカーも大きな変化なく経過しており、化学療法開始後3年経過したが、QOLを保ちながら化学療法継続している。【考察】痔瘻癌はまれな疾患で予後不良とされる報告もあり、治療に難渋しているのが現状である。今回我々は痔瘻癌に対し1stlineとしてBV+mFOLFOX、2ndlineとしてBV+FOLFIRIを使用し長期治療継続している痔瘻癌の一例を経験したので、文献的考察を加え報告する。
索引用語 痔瘻癌, ベバシツマブ