セッション情報 | 専修医セッション(卒後3-5年) |
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タイトル | 16:デンバーシャント留置後の右心房内に血栓と感染を合併し、開心術により救命しえた1例 |
演者 | 小玉 夏美(筑波学園病院 消化器内科) |
共同演者 | 西 雅明(筑波学園病院 消化器内科), 松田 健二(筑波学園病院 消化器内科), 川島 玲(筑波学園病院 消化器内科), 川西 宣弘(筑波学園病院 消化器内科), 松木 康彦(筑波学園病院 消化器内科), 平松 祐司(筑波大学附属病院 心臓血管外科) |
抄録 | 【背景】デンバーシャントは難治性腹水患者に対して栄養状態、QOL改善に有用であるとされている。しかしながら、デンバーシャントの適応となる難治性腹水患者では肝予備能が悪く、シャント閉塞、DIC、心不全、感染などの合併症のために予後を悪化させることもある。【目的】デンバーシャント留置後、経過中にシャント先端から右心房にかけて血栓が形成され、更に細菌感染を合併したが、開心術により救命しえた1例を経験したため報告する。【症例】51歳男性【既往歴】気胸・アルコール性てんかん【経過】アルコール性肝硬変(Child-B)で、利尿薬等による反応悪く腹水コントロールに難渋したため2012年6月にデンバーシャントを留置した。経過順調であったが同年10月頃より再び腹部膨満感が出現、デンバーシャント先端から右心房にかけて血栓を認めたため入院となった。ヘパリン化を約1ヵ月行い、血栓が縮小したためワルファリン内服に切り替えて外来通院となったが、血栓は再び増大傾向を示した。デンバーシャントからのチャンバー造影では閉塞がないことは確認されたが、2013年5月には一部右室内に突出するほどに増大し、更に同年6月からは39℃~40℃のspike feverを伴う菌血症を繰り返すようになった。心房内血栓への感染の合併と考え抗生剤加療行ったが反応せず、全身状態の悪化を認めたため、循環器外科と協議し同年7月開心の上、右房内血栓摘除、デンバーシャント抜去施行した。手術所見ではデンバーシャント先端から右心房内に鶏卵大の白色血栓が形成されていた。術後経過は良好であり、自宅退院の方針となった。【考察】デンバーシャント留置後に重篤な感染(感染性心内膜炎)を合併した症例は医中誌では1例、PubMedでは2例の報告があるが、いずれも抗生剤加療に反応せず亡くなっている。今回、抗生剤に反応しなかったものの、開心術を行ったことで危機回避しえた症例を経験したため報告する。 |
索引用語 | デンバーシャント, 感染 |