セッション情報 | 専修医セッション(卒後3-5年) |
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タイトル | 10:大量下血によるショックを契機に診断された小腸悪性リンパ腫の一例 |
演者 | 大久保 捷奇(永寿総合病院 内科) |
共同演者 | 安藤 知史(永寿総合病院 外科), 栗田 聡(永寿総合病院 消化器内科), 一松 収(永寿総合病院 消化器内科), 吉田 英雄(永寿総合病院 消化器内科), 前田 真悟(永寿総合病院 外科), 愛甲 聡(永寿総合病院 外科), 酒巻 雄一郎(永寿総合病院 内科) |
抄録 | 症例は77歳女性。パーキンソン病で当院神経内科通院中であったが、3ヶ月前から徐々に倦怠感が進行し、2週間前からベッド上で生活、身動きが取れなくなったため救急要請した。入院時検査で巨大肝腫瘍、好中球減少、貧血を認め、精査加療目的で入院となった。腫瘍内出血、腫瘍内感染を考え、抗生剤、止血剤にて加療していたが、入院4日目に突然のタール便が出現した。これまでの上部消化管内視鏡、腹部CTでは明らかな出血源は認めず、下部消化管出血が疑われ、待機的に下部消化管内視鏡を行う予定としたが、下血が止まらず大量の輸血を行った。Dynamic CT、出血シンチを行ったところ、空腸に出血源を認めたため、同日緊急手術となった。小腸に潰瘍を伴う出血源を複数箇所認め、小腸部分切除術を行った。術後経過良好でその後下血は認めなかった。病理所見ではびまん性大細胞型B細胞リンパ腫であった。現在、血液内科でR-POCH療法を継続し、奏功している。小腸出血は消化管出血の中でも頻度が少なく、悪性リンパ腫によるものは希である。また、出血部位の同定、治療に難渋することも多い。悪性リンパ腫による小腸大量出血を経験したので文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 下血, 小腸 |