セッション情報 | 専修医セッション(卒後3-5年) |
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タイトル | 31:特徴的な画像所見を呈した肝血管肉腫の2例 |
演者 | 吉田 康祐(慶應義塾大学 医学部 消化器内科) |
共同演者 | 若山 遊子(慶應義塾大学 医学部 消化器内科), 海老沼 浩利(慶應義塾大学 医学部 消化器内科), 浜本 康夫(慶應義塾大学 医学部 腫瘍センター), 中村 公子(慶應義塾大学 医学部 消化器内科), 中塚 誠之(慶應義塾大学 医学部 放射線診断科), 小黒 草太(慶應義塾大学 医学部 放射線診断科), 佐々木 文(慶應義塾大学 医学部 病理学・病理診断部), 川井田 みほ(慶應義塾大学 医学部 病理学・病理診断部), 亀山 香織(慶應義塾大学 医学部 病理学・病理診断部), 江本 桂(慶應義塾大学 医学部 病理学・病理診断部), 坂元 亨宇(慶應義塾大学 医学部 病理学・病理診断部), 高石 官成(慶應義塾大学 医学部 腫瘍センター), 金井 隆典(慶應義塾大学 医学部 消化器内科) |
抄録 | 【症例1】 68歳男性。3ヶ月前より心窩部不快感、その後体重増加、下腿浮腫を認め他院に入院、各種画像検査で多発性肝腫瘤が疑われるも、確定診断に至らなかった。その精査中に黄疸の出現、凝固能の低下を認め、急性肝不全と診断され、当院に転院となった。単純CT,MRI上再生結節様の結節の多発、著明な肝腫大を認め、肝紫斑病、血管肉腫等のびまん性の腫瘍が疑われたが、凝固能の低下のため生検が施行できなかった。急性肝不全に対する治療を行うも改善せず、転院後15日で死亡、病理解剖にて肝血管肉腫と診断された。 【症例2】 79歳女性。心臓弁膜症術後にて通院中、2ヶ月前より腹部膨満、食思不振を認め、当科受診した。血液検査にて肝機能障害、CT検査にて多発する低吸収腫瘤、著明な肝腫大を認め、精査目的で入院となった。Warfarin服用中であったが、ヘパリン置換の上経皮的肝生検を施行した。肝生検後はNBCAにて穿刺経路の塞栓を行った。生検の結果c-kit陽性の肝血管肉腫と診断した。Imatinibによる治療も検討されたが、心機能や全身状態が芳しくないことから、BSCの方針となった。 この2症例は、著明な肝腫大とびまん性の多血性腫瘤を認め、肝血管肉腫に特徴的な画像所見と考えられる。確定診断には組織学的検査が必要であるが、凝固能の低下や合併症により施行できないケースではNBCAを用いた生検が有用であった。 |
索引用語 | 肝血管肉腫, 画像検査 |