セッション情報 専修医セッション(卒後3-5年)

タイトル 03:

粘膜下腫瘍様の形態を呈した特発性肉芽腫性胃炎の1例

演者 佐々木 哲三(北里大学東病院 消化器内科)
共同演者 石戸 謙治(北里大学東病院 消化器内科), 小泉 和三郎(北里大学東病院 消化器内科), 田邊 聡(北里大学東病院 消化器内科), 樋口 勝彦(北里大学東病院 消化器内科), 佐々木 徹(北里大学東病院 消化器内科), 堅田 親利(北里大学東病院 消化器内科), 東 瑞智(北里大学東病院 消化器内科), 成毛 哲(北里大学東病院 消化器内科), 三枝 信(北里大学東病院 消化器内科)
抄録 症例は70歳代女性。自覚症状はなく、近医にて検診目的で上部消化管内視鏡検査を施行したところ、胃窮窿部大弯に粘膜下腫瘍様の病変を認め、生検にて非乾酪性肉芽腫を呈していたため、当院消化器内科に紹介受診となった。上部消化管内視鏡検査を施行したところ胃窮隆部大弯に約10mmの発赤を伴う立ち上がりなだらかな粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認めた。超音波内視鏡検査(EUS)では第1、2層の壁肥厚のみであった。生検にて乾酪壊死を伴わない多核巨細胞を有する類上皮細胞性肉芽腫を認め、サルコイドーシスが疑われた。血清Hp IgG抗体は陰性で、高γグロブリン血症や血清ACE上昇はなく、ツベルクリン反応も陰性であった。また胸腹部造影CT検査でも明らかな肺門部リンパ節腫大や肺病変はなく、Gaシンチも異常集積は認めなかった。そして神経所見や皮疹、眼病変もないため、全身症状を有さない胃に限局した病変として、特発性肉芽腫性胃炎と診断された。現在、明らかな自覚症状はなく、外来で経過観察されている。特発性肉芽腫性胃炎は稀な疾患であるが、粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認めた場合には、鑑別診断の1つとして挙げる必要がある。
索引用語 特発性肉芽腫性胃炎, 類上皮細胞性肉芽腫