セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 27:C型慢性肝炎のインターフェロン+リバビリン併用療法に合併する貧血の解明―大気マイクロPIXEを使用して |
演者 | 富岡 智(群馬大学大学院 保健学研究科) |
共同演者 | 橋爪 洋明(群馬大学大学院 医学系研究科 病態制御内科), 堀口 昇男(群馬大学大学院 医学系研究科 病態制御内科), 山崎 勇一(群馬大学大学院 医学系研究科 病態制御内科), 佐藤 賢(群馬大学大学院 医学系研究科 病態制御内科), 柿崎 暁(群馬大学大学院 医学系研究科 病態制御内科), 佐藤 博隆(日本原子力研究開発機構 高崎量子応用研究所), 江夏 昌志(日本原子力研究開発機構 高崎量子応用研究所), 神谷 冨裕(日本原子力研究開発機構 高崎量子応用研究所), 長嶺 竹明(群馬大学大学院 保健学研究科) |
抄録 | 「目的」難治性C型慢性肝炎に対するペグ型インターフェロン(Peg-IFN)+リバビリン(RBV)の2剤併用療法による治癒率は40~50%程度であり、プロテアーゼ阻害剤を加えた3剤併用では70%以上になることが報告されている。一方、貧血などの副作用も頻発しており、治療効果を左右する一因となっている。我々は2剤および3剤療法による貧血の病態解明を目的として、赤血球内元素量の変動をマイクロPIXE (Particle Induced X-ray Emission)分析システムを用いて測定した。「対象および方法」難治性C型慢性肝炎14例(未治療3例、Peg-IFN+RBV治療7例、Peg-IFN+RBV+テラプレビル治療4例)および健常者4例から、血算用採血管(EDTA-2NA入り)で採血し、同量の生理食塩水を加え、5分間遠心(1500 rpm)する。上清を取り除き、赤血球成分のみに調製した血球を-150℃で凍結、1.0×10-2 Torrで24時間乾燥させ、マイラー膜上に固定し、高崎原子力研究所のマイクロPIXEで赤血球内元素分析を行った。「結果」1.赤血球内のS,K,Clは健常者ではドーナツ状の分布を認めた。2剤併用例では結節状になる傾向を示し、3剤併用では斑状になる血球が多く出現した。2.赤血球内元素の定量を行った結果、カルシウム、鉄、銅は健常者に比べC型肝炎(未治療者)で増加し、亜鉛は低下を認めた。2剤併用では未治療者と比較して、カルシウムは低下し、亜鉛は増加した。3剤併用では各元素とも増加傾向を認め、とりわけNaの増加が顕著であった。「考察」以上の結果から、3剤併用療法では2剤併用療法とは異なる赤血球内元素分布変動が認められ、両治療法における貧血の病態が異なる可能性が示唆された。 |
索引用語 | C型慢性肝炎, 大気マイクロPIXE |