セッション情報 一般演題

タイトル 35:

Gardner症候群に多発する胆管癌を合併した一例

演者 山田 俊哉(桐生厚生総合病院 内科)
共同演者 丸山 秀樹(上牧温泉病院 内科), 新井 洋佑(桐生厚生総合病院 内科), 古谷 健介(桐生厚生総合病院 内科), 飯塚 圭介(桐生厚生総合病院 内科), 野中 真知(桐生厚生総合病院 内科), 竝川 昌司(桐生厚生総合病院 内科), 飯田 智広(桐生厚生総合病院 内科), 待木 雄一(桐生厚生総合病院 外科), 鏑木 大輔(しらかわ診療所 内科)
抄録 【症例】55歳女性【現病歴】27年前にGardner症候群と診断され、以後当院外科外来定期通院されていた。今年に入ってから胆管炎様症状(肝機能変動と炎症反応変動)を繰り返すようになった。MRCPにて肝内胆管拡張認められ、2013年10月精査目的に当科紹介となった。【入院後経過】入院直前のCTでは肝門部胆管に不整な狭窄性病変あり、それより上流の肝内胆管拡張を認めていた。10/15入院となり、第2病日ERCP施行。乳頭形成術後(十二指腸乳頭部腺腫に対して手術施行歴あり)であり、胆管口は著明に拡張していた。側視内視鏡観察で胆管内(下部胆管付近)に腫瘍性病変あり。同部位より生検施行。胆管造影上、下部胆管に隆起状のdefectあり、肝門部胆管に閉塞あり、その上流の胆管拡張認めた。閉塞部より生検とブラシ細胞診施行し、胆管ステント留置して終了。その後は肝胆道系酵素低下傾向にあり、第8病日に経鼻細径内視鏡で胆管内に挿入し観察したが、ERCP所見と同様、肝門部と下部胆管に腫瘍性病変あり、肝門部では胆管閉塞を生じていた。同日退院。生検と細胞診結果で2病変ともadenocarcinoma検出され、胆管double cancerの診断であった。今後の治療方針について外科にて本人へ説明予定となった。【考察】十二指腸乳頭部癌ではGardner症候群でリスクが増大するが、胆管癌についてははっきりしていない。医中誌で検索した限りでは、Gardner症候群に胆管癌を合併した症例報告は本邦では認めず、貴重な症例と考えられた。【結語】我々はGardner症候群診断27年後に多発する胆管癌を生じた症例を経験し、病変を直接、直視内視鏡で観察することができた。Gardner症候群に多発する胆管癌を合併した症例報告は本邦では認めず、貴重な症例と考えられた。
索引用語 Gardner症候群, 胆管癌