セッション情報 | 専修医セッション(卒後3-5年) |
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タイトル | 06:十二指腸潰瘍にアニサキス症を合併し、球部狭窄を来たし胃石を合併した1例 |
演者 | 今井 雄史(君津中央病院) |
共同演者 | 亀崎 秀宏(君津中央病院), 大和 睦実(君津中央病院), 稲垣 千晶(君津中央病院), 矢挽 眞士(君津中央病院), 妹尾 純一(君津中央病院), 藤本 竜也(君津中央病院), 山田 博之(君津中央病院), 大部 誠道(君津中央病院), 藤森 基次(君津中央病院), 吉田 有(君津中央病院), 駒 嘉宏(君津中央病院), 畦元 亮作(君津中央病院), 鈴木 紀彰(君津中央病院), 福山 悦男(君津中央病院) |
抄録 | 【症例】55歳、男性【主訴】心窩部痛、嘔吐【既往歴】十二指腸潰瘍【現病歴】1週間前より心窩部不快感を認めていた。今回、イカ・マグロの刺身を摂取した翌日に、心窩部痛とコーヒー残渣様の嘔吐を繰り返したため当院受診となった。上部消化管内視鏡検査を施行したところ、胃内には食物残渣を大量に認めた。十二指腸球部は浮腫により幽門から胃内へと突出し、潰瘍を伴っていた。さらに潰瘍底にはアニサキス虫体を認め、鉗子にて摘出した。経過より、十二指腸潰瘍にアニサキス症を合併し、球部狭窄を来たしたものと考えられた。2日後に内視鏡検査を再検したところ、胃内には食物残渣が残存し、また、3mm程度の胃石も数個認められた。十二指腸球部の腫脹は改善傾向ではあった。1週間後に内視鏡検査を再検したところ、通過障害は著明に改善し、胃石も消失していた。その後、経過良好のため退院となった。【考察】胃石は糖尿病・消化性潰瘍・幽門側胃切除術後などの胃蠕動不良の原因となる基礎疾患や、胃癌・幽門狭窄などの通過障害の原因となる基礎疾患を背景に発生すると言われている。本症例は、十二指腸アニサキス症に球部狭窄を合併し胃石を形成したものと推測された。胃石の発生過程を考える上で示唆に富む症例と考え報告する。 |
索引用語 | アニサキス, 胃石 |