セッション情報 一般演題

タイトル 32:

部分的脾動脈塞栓術(PSE)を施行し、TVR/PEG-IFN/RBV 3剤併用療法によりSVRが得られた1例

演者 嶋田 靖(伊勢崎市民病院 内科)
共同演者 鈴木 悠平(伊勢崎市民病院 内科), 畑中 健(伊勢崎市民病院 内科), 滝澤 大地(伊勢崎市民病院 内科), 柿崎 暁(群馬大学大学院病態制御内科学), 山田 正信(群馬大学大学院病態制御内科学)
抄録 【症例】 69歳、男性【現病歴】C型慢性肝炎に対して、20年ほど前にIFN治療(詳細不明)を受けたが、SVR得られなかった。以降、近医にてUDCA、SNMCによる肝庇護療法を受けていた。TVR/PEG-IFN/RBVによる3剤併用療法を目的に当院へ紹介となった。【既往歴】特になし【飲酒】なし【内服薬】UDCA300mg/3X【検査結果】T-Bil0.91mg/dl、AST69IU/L、ALT70IU/L、ALP440IU/L、γ-GTP51IU/L、Alb3.7g/dL、WBC2800/μL、Hb13.6g/dL、Plt5.3万/μL、HCV genotype 1b、HCV-RNA7.0logIU/ml、rs8099917 T/T、HCV core aa70/91:M/W、肝生検:chronic hepatitis、A2F2【経過】脾機能亢進による血小板低下に対し、部分的脾動脈塞栓術(PSE)を施行した。Plt16.9万/μLに増加が得られ、TVR/PEG-IFNα2b/RBVの3剤併用療法を開始した。皮疹によりTVR投与は8週間で中止となったが、PEG-IFNα2b/RBV併用療法は24週間完遂でき、その後SVRが得られた。【考察】TVR/PEG-IFN/RBVの3剤併用療法は、重篤な皮疹、高度貧血、高尿酸血症、腎機能障害などの今までのPEG-IFN/RBV併用療法では認められなかった特有な副作用があり、線維化進行例などは投与困難である。しかし、TVRを含む3剤併用療法は、初回投与例や再燃例などでは効率なSVRが期待される。また、SVRにより、線維化改善や発癌率低下も報告されている。血小板低値で治療導入が困難なC型慢性肝炎症例では、PSEにより血小板増加が得られれば、3剤併用療法が施行でき、SVRが得られる可能性がある。【結語】PSEにより、TVR/PEG-IFN/RBVの3剤併用療法が可能となり、SVRが得られた一例を経験した。
索引用語 PSE, TVR