セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 28:肝細胞癌に対するダブルプラチナ療法 (ミリプラチン肝動脈化学塞栓術+シスプラチン肝動注併用療法)の使用経験 |
演者 | 上野 敬史(前橋赤十字病院 消化器内科) |
共同演者 | 松井 綾子(前橋赤十字病院 消化器内科), 須賀 孝慶(前橋赤十字病院 消化器内科), 長坂 昌子(前橋赤十字病院 消化器内科), 佐藤 洋子(前橋赤十字病院 消化器内科), 関口 雅則(前橋赤十字病院 消化器内科), 大塚 修(前橋赤十字病院 消化器内科), 飯塚 賢一(前橋赤十字病院 消化器内科), 豊田 満夫(前橋赤十字病院 消化器内科), 新井 弘隆(前橋赤十字病院 消化器内科), 高山 尚(前橋赤十字病院 消化器内科), 阿部 毅彦(前橋赤十字病院 消化器内科), 長島 多聞(西群馬病院), 田原 博貴(西群馬病院), 柿崎 暁(群馬大学医学部 病態制御内科学), 佐藤 賢(群馬大学医学部 病態制御内科学) |
抄録 | 【背景・目的】近年、切除不能の肝細胞癌(HCC)に対する治療として、ミリプラチン(MPT)による肝動脈化学塞栓術(TACE)やシスプラチン(CDDP)による肝動注化学療法の有用性が報告されている。今回、両者を併用したダブルプラチナ療法の当院での有効性・安全性について検討した。【方法】2011年6月~2013年6月に切除不能多発肝細胞癌に対してダブルプラチナ療法を施行した39名62症例を対象とした。定型通りにCDDP(アイエーコール®,IAC)を区域性に動注した後、MPTによるTACEあるいはB-TACEを亜区域・区域性に行った。CDDPは65 mg/m2、MPTは120 mg/bodyを上限に投与した。効果判定は原発性肝癌取扱規約第5版を用いて治療3ヶ月後の画像検査で、有害事象はCTCAE ver. 4.0を用いて評価した。【結果】平均年齢 69.6歳で成因はB 2/C 55/NBNC 5例で、治療前のChild-Pugh分類はA 41/B 21/C 0例であった。CDDP平均投与量は94.1 mg/body、MPTの平均投与量は47.3 mg/bodyであった。治療効果は、CR 3.2 %、PR 22.6 %、SD 51.6 %、PD 16.1 %で、奏効率 25.8 %、病勢制御率 77.4 %であった。Grade 3以上の有害事象は、ALT上昇 41.9 %、Bil上昇 3.2 %、嘔気・食欲不振 17.7 %、腹水 1.6 %を認めた。【考察】今回の検討では奏功率25.8 %程度であったが、病勢制御率は77.4 %と比較的良好と考えられTACE不応例、多血性/乏血性腫瘍が混在する例など通常のTACEのみで治療困難な例において、ダブルプラチナ療法も治療選択肢として検討する余地があると思われた。また、ALT上昇、嘔気・食欲不振を中心に有害事象を多く認め、特に嘔気・食欲不振についてはCDDPの影響が強いと考えられた。最終的には軽快しているものの、今後はCDDPの用量調節や制吐剤の工夫などによる患者負担軽減への試みが必要と考えられる。 |
索引用語 | 肝細胞癌, ダブルプラチナ療法 |