セッション情報 | 研修医セッション(卒後2年迄) |
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タイトル | 58:高Ca血症と白血球増多をともなった進行胆嚢癌の一例 |
演者 | 竹内 優志(東京都済生会中央病院 内科) |
共同演者 | 岩崎 栄典(東京都済生会中央病院 内科), 星野 舞(東京都済生会中央病院 内科), 瀧田 麻衣子(東京都済生会中央病院 内科), 石山 由佳(東京都済生会中央病院 内科), 岸野 竜平(東京都済生会中央病院 内科), 酒井 元(東京都済生会中央病院 内科), 泉谷 幹子(東京都済生会中央病院 内科), 船越 信介(東京都済生会中央病院 内科), 中澤 敦(東京都済生会中央病院 内科), 塚田 信廣(東京都済生会中央病院 内科) |
抄録 | 【症例】65歳男性。生来健康な印刷業を営む男性。PS1。入院数か月前より体重の減少を自覚していたが様子を見ていた。入院当日に嘔吐し、右季肋部痛が出現したため救急外来を受診。腹部CT検査上、胆嚢腫瘤と腹腔内の多発リンパ節腫大、腫瘍による中部胆管狭窄、肝内胆管拡張を認めた。高熱、炎症反応上昇を伴ったため閉塞性化膿性胆管炎と診断し、緊急入院し胆管ドレナージを施行した。その後の精査で胆嚢癌stage IVb(多発肝転移、リンパ節転移、腹膜播種)の診断となり、modified GEM(1000 mg /m2 day1,8)+ CDDP(25mg /m2 day1,8)を開始した。3コース投与後CTによる治療効果判定を行い、病勢悪化と診断し、二次治療としてGEM(1000 mg /m2 day1,15)+S-1(100mg day1-14)に変更した。第30病日に食思不振Grade 3のため入院となった。入院時、高カルシウム血症(Ca 11.0 mg/dl)、感染兆候を伴わない白血球増多症(WBC 98500/μl)があり、精査したところPTH-rP 4.1 pmol/l、G-CSF 68.6 pg/mlと高値を認めた。補液、ビスホスホネート製剤にて加療したが、入院6日目に肺血栓塞栓症を発症。その後、腹腔内の転移巣が自壊し癌性腹膜炎が急速に悪化したため、腹水穿刺などで対応した。全身状態は急速に悪化し、入院28日目に悪液質で死亡した。病理解剖を施行したところ、高度に浸潤した胆嚢癌(低分化腺癌)、癌性腹水を認め、さらに多発する血栓症(肺動脈、右室、脾静脈、腸間膜静脈)をきたしていた。原発巣の免疫組織化学検査ではG-CSFは陰性、PTH-rPは陽性であった。【考察】医学中央雑誌で検索したところ、胆嚢癌にG-CSF高値をともなった症例は20例であった。平均余命8.4か月、ほとんどが低分化で、腺癌が9例、腺扁平上皮癌4例、他の組織型は8例であった。白血球増多に高カルシウム血症をきたした胆嚢癌症例は本例が4例目であった。PTH-rPとG-CSFはいずれも腫瘍の増殖に関与していることが知られており、本例では病勢悪化とともに高値を示し示唆に富む症例であった。 |
索引用語 | G-CSF, 胆嚢癌 |