セッション情報 |
ワークショップ14(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器がん検診学会合同)
患者にやさしい上部消化管内視鏡検査の工夫
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タイトル |
内W14-7:マウスピース装着型口腔内持続吸引カテーテル(Continuous Suction catheter: CSC)の考案と有用性の検討
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演者 |
前北 隆雄(和歌山県立医大・2内科) |
共同演者 |
榎本 祥太郎(和歌山健康センター), 加藤 順(和歌山県立医大・2内科) |
抄録 |
【目的】上部消化管内視鏡検査において、検査中の唾液流出のコントロールが困難なことがしばしば経験される。特に長時間の検査では、抗コリン剤の効果が減弱し、かつ内視鏡の出入りにより唾液の分泌が促進されることにより、口腔内の唾液による誤嚥のリスクが軽視できない問題である。従前は自然排出を期待し、唾液の貯留が確認された際にはサクションカテーテルで介助者が吸引する方法がとられてきた。一方、歯科処置の方に目を向けると、処置の際に口腔内の唾液を持続吸引することで安全で快適な処置が可能となっている。我々は以上の点に着目し、マウスピース装着型口腔内持続吸引カテーテル(Continuous Suction catheter; CSC)を考案、その有用性を検討した。【方法】上部消化管内視鏡検査を施行した患者196人(CSC有り 98人(男56女42):CSC無し 98人(男59女39))を対象に、検査時間、唾液流出範囲(流出範囲を5段階評価:GRADE1 口外流出なし-GRADE5衣服まで)、検査時の吸引回数、むせ回数を測定し検討した。【成績】CSC有りおよびCSC無しの両群の年齢(平均63.9歳:60.9歳)や検査時間(平均8.9分:8.0分)に有意差はなかった。また、CSC有り群のほうが、CSC無し群よりも有意に唾液流出範囲は狭かった(平均GRADE1.02:2.04 p<0.001)が、吸引回数(平均0.00回:0.03回)およびむせ回数(平均0.12回:0.18回)には有意差はみとめなかった。【結論】CSCにより唾液流出範囲が減少し、被検者の負担軽減が可能と考えられた。持続吸引による気流発生で引き起こされたと推測される爽快感を検査後述べるものが多数あり、CSTは安全で快適な上部消化管内視鏡検査を可能にすることが期待できる。 |
索引用語 |
上部消化管内視鏡検査, マウスピース |