セッション情報 研修医セッション(卒後2年迄)

タイトル 45:

無回転型腸回転異常を伴ったスキルス胃癌の1例

演者 神野 雄一(横浜市立市民病院 消化器外科)
共同演者 高橋 正純(横浜市立市民病院 消化器外科), 朴 峻(横浜市立市民病院 消化器外科), 南 宏典(横浜市立市民病院 消化器外科), 石井 洋介(横浜市立市民病院 消化器外科), 中川 和也(横浜市立市民病院 消化器外科), 藪野 太一(横浜市立市民病院 消化器外科), 望月 康久(横浜市立市民病院 消化器外科), 村上 あゆみ(横浜市立市民病院 病理診断科), 杉田 昭(横浜市立市民病院 炎症性腸疾患科)
抄録  症例は69歳男性、1か月前からの心窩部痛と嘔吐を主訴に近医を受診され、上部消化管内視鏡(FGS)で胃体部の巨大すう壁と幽門前庭部の全周性狭窄を指摘された。4型胃癌(幽門狭窄型)が疑われたが、生検ではgroup1であった。当院紹介後、再度FGS下のボーリング生検ではgroup1であったが、腫瘍マーカーがCA19-9 151U/mlと上昇し、腹部骨盤造影CT検査では胃体下部から幽門までの壁肥厚と周囲の大網の毛羽立ち変化が見られ、スキルス胃癌4型UML circ H0P1T4a(SE)N0 Stage4が疑われた。また同CTで腸回転異常症(無回転型)を初めて指摘された。幽門狭窄による食事摂取不能状態であったため、術中迅速細胞診または病理診断で確定診断後に胃切除を行う方針とした。既往歴に特記すべきことはなかった。 手術所見では腹水なく、迅速腹腔洗浄細胞診でclass5と診断され、胃全摘・D2郭清・胆嚢摘出術が施行された。Ladd靭帯による狭窄を起こさないように右側へ偏位した空腸(50cm)を挙上してRoux-en-Y再建を行った。 摘出標本では肉眼的に明らかな潰瘍性病変はなく胃体中下部から幽門まで全周性の壁肥厚を認めた。病理組織学的検査所見では粘膜下層から筋層を主体に低分化型腫瘍(por2)の浸潤性の増殖が胃全体に拡がり、por2, type4 UML circ int INFc SE(pT4) ly3 v3 pN3b(19/24) H0P0 CY1 pStage4であった。 今回、腸回転異常を伴う胃癌の1例を経験した。腸回転異常にともなうLadd靭帯での閉塞や腸管のねじれに注意することで、安全にRoux-en-Y再建が可能であった。腸回転異常を伴う胃癌の報告はまれではあるが、術後の腸閉塞予防対策や、予防的虫垂切除に関する報告が散見されこれらを文献的に考察し報告する。
索引用語 スキルス胃癌, 腸回転異常