セッション情報 | 専修医セッション(卒後3-5年) |
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タイトル | 13:胆嚢との交通を有した感染性肝嚢胞の一例 |
演者 | 南金山 理乃(千葉市立海浜病院 消化器内科) |
共同演者 | 齋藤 博文(千葉市立海浜病院 消化器内科), 薄井 正俊(千葉市立海浜病院 消化器内科), 太和田 勝之(千葉市立海浜病院 消化器内科), 野本 裕正(千葉市立海浜病院 消化器内科), 北 和彦(千葉市立海浜病院 消化器内科), 芦澤 陽介(千葉市立海浜病院 外科), 吉岡 茂(千葉市立海浜病院 外科) |
抄録 | 【症例】71歳男性【現病歴】平成25年5月頃より右側腹部痛・全身倦怠感を自覚し近医受診し、高度の炎症を認め腹部感染症の疑いで精査加療目的のため当院外科に紹介となった。CTで感染性肝嚢胞が疑われ同日入院した。SBT/CPZにて加療するもCDTR内服に変更したところ炎症再燃したため、肝嚢胞ドレナージ目的で当科転科となった。【経過】外科入院時のCTで感染性肝嚢胞と胆嚢底部との間に交通が疑われた。経皮的肝嚢胞ドレナージ術直後のCTでは肝嚢胞から胆嚢内への造影剤の流入が確認され、肝嚢胞と胆嚢との交通が証明された。術後CMZ投与を行い、排液量は徐々に減少し、DIC-CTにて交通が消失したことを確認し、術後12日目にドレーン抜去した。以後抗生剤LVFX内服に変更したが、炎症増悪なく経過、術後19日目に退院となった。後日、外科的胆嚢摘出術を行った。【考察】本症例は、胆嚢炎からの炎症波及で肝嚢胞に穿通したのか、あるいは感染性肝嚢胞から胆嚢に穿通したのかという2説が考えられたが、摘出後の胆嚢病理結果は、高度の炎症細胞浸潤・黄色肉芽腫様変化を認めるものであり、また2年前のCTでも肝嚢胞と接する胆嚢内に結石の存在を疑わせる所見があり、病理や画像所見からも以前より慢性胆嚢炎があったことが示唆された。その結果、慢性的な胆嚢炎症が波及した結果、薄い壁をもつ肝嚢胞へ穿通し感染性肝嚢胞を来たしたと考えるのが妥当と思われた。【結語】慢性胆嚢炎の穿通により感染を来たした肝嚢胞の一例を経験したので、多少の文献を含めて報告する。 |
索引用語 | 感染性肝嚢胞, 胆嚢穿通 |