セッション情報 | 研修医セッション(卒後2年迄) |
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タイトル | 50:自己免疫関連蛋白漏出性胃腸症に後天性vonWillebrand症候群を合併し、ステロイドが著効した1例 |
演者 | 林 泰樹(埼玉医科大学 総合診療内科) |
共同演者 | 山岡 稔(埼玉医科大学 総合診療内科), 米野 和明(埼玉医科大学 総合診療内科), 大庫 秀樹(埼玉医科大学 総合診療内科), 草野 武(埼玉医科大学 総合診療内科), 芦谷 啓吾(埼玉医科大学 総合診療内科), 野口 哲(埼玉医科大学 総合診療内科), 小林 威仁(埼玉医科大学 総合診療内科), 有馬 博(埼玉医科大学 総合診療内科), 木下 俊介(埼玉医科大学 総合診療内科), 飯田 慎一郎(埼玉医科大学 総合診療内科), 井上 清彰(埼玉医科大学 総合診療内科), 脇本 直樹(血液内科), 横田 和浩(リウマチ膠原病内科), 本間 琢(病理診断部), 茅野 秀一(病理診断部), 三村 俊英(リウマチ膠原病内科), 山本 啓二(埼玉医科大学 総合診療内科), 今枝 博之(埼玉医科大学 総合診療内科), 中元 秀友(埼玉医科大学 総合診療内科) |
抄録 | 症例は69歳女性。1か月前より眼瞼浮腫、臥床時呼吸苦、両下腿浮腫が出現したため、近医受診。胸部X線で両側胸水を指摘され、当科紹介受診し、即日入院。低アルブミン血症(Alb 2.8g/dl)を認めたが、肝腎心機能正常、尿蛋白軽度陽性(369mg/day)であった。 APTTの延長(82秒)を認め、第VIII因子活性低下、vonWillebrand因子活性、抗原量の低下を伴っており、血漿交差混合試験でインヒビターの存在が示唆され、3年前には正常であったことから後天性のvonWillebrand症候群と考えられた。CTで胸腹水と腹腔内リンパ節の軽度腫大を認めた。滲出性胸水だが、細胞診では異型細胞を認めず、慢性炎症細胞浸潤を認めた。上部消化管内視鏡検査で胃全体に浮腫状粘膜を認め、生検では炎症細胞浸潤の所見であった。下部消化管内視鏡検査では直腸に粘膜内出血の所見、病理は間質へのリンパ球浸潤、鬱血を認めた。免疫染色では間質内にIgG、IgA陽性の形質細胞浸潤を認めた。蛋白漏出シンチでは胃から大腸にかけて広範に蛋白漏出を認めた。抗核抗体160倍、CH50 10以下、蛋白尿、胸膜炎の所見からSLEのACR分類基準は3項目しか満たさないものの、消化管粘膜にIgA、IgG陽性形質細胞浸潤を認めたことから、自己免疫関連蛋白漏出性胃腸症が考えられた。PSL40mg/日の投与を開始し、低蛋白血症の改善、APTTの正常化、胸腹水の消失が得られた。自己免疫関連蛋白漏出性胃腸症に後天性vonWillebrand症候群を合併し、ステロイドが著効した稀な症例を経験したため、文献的考察も含め報告する。 |
索引用語 | 蛋白漏出, 自己免疫 |