セッション情報 一般演題

タイトル 36:

閉塞性黄疸にて発症した後腹膜腫瘍に対しEUS-FNAが有用であった1例

演者 吉田 友直(自治医科大学 消化器肝臓内科)
共同演者 渡邊 俊司(自治医科大学 消化器肝臓内科), 原 鉄人(自治医科大学 消化器肝臓内科), 沼尾 規且(自治医科大学 消化器肝臓内科), 牛尾 純(自治医科大学 消化器肝臓内科), 畑中 恒(自治医科大学 消化器肝臓内科), 森 政樹(自治医科大学 血液内科), 田中 亨(自治医科大学 病理診断部), 玉田 喜一(自治医科大学 消化器肝臓内科), 菅野 健太郎(自治医科大学 消化器肝臓内科)
抄録 【症例】75歳男性【現病歴】入院の1カ月前から右側腹部痛、食欲低下あり、前医を受診。黄疸および腹部超音波検査で腹部腫瘤を指摘されたため、精査加療目的に当科紹介入院。【入院時現症】上腹部に圧痛あり、10cm大の硬い腫瘤を触知した。【経過】血液検査ではT Bil 8.98mg/dl、D Bil 6.86mg/dl、AST 278mU/ml、ALT 372mU/ml、ALP 1138mU/ml、γGTP 668mU/mlと肝胆道系酵素上昇を認めた。腹部造影CTでは肝内・肝外胆管拡張および後腹膜に巨大な腫瘤を認めた。後腹膜腫瘍による胆管圧排により閉塞性黄疸を来していたため、ERCP施行し胆管ステントを留置した。可溶性IL2レセプター 1960U/mlと高値のため悪性リンパ腫が強く疑われたが、確定診断目的に、超音波内視鏡下穿刺吸引生検(EUS-FNA)を施行した。病理組織学的には、腫瘍性大型細胞はCD20陽性、pancytokeratinとCD3は陰性で、Diffuse Large B-cell lymphoma(DLBCL)と診断された。血液内科に転科しR-CHOP療法を施行した結果、腫瘍は著明に縮小し、胆管ステントは自然脱落した。治療開始後8カ月が経過し、計7コースの治療を終了している。【考察】後腹膜腫瘍による閉塞性黄疸の報告は7例と少ない(医中誌)。【結語】閉塞性黄疸にて発症した後腹膜腫瘍に対し、EUS-FNAは病理診断、治療方針決定に非常に有用であった。
索引用語 後腹膜腫瘍, 閉塞性黄疸