セッション情報 | 専修医セッション(卒後3-5年) |
---|---|
タイトル | 24:悪性を否定できず腹腔鏡下膵中央切除術を施行した膵体部膵内副脾の1例 |
演者 | 栗山 翔(日本医科大学 消化器外科) |
共同演者 | 松下 晃(日本医科大学 消化器外科), 中村 慶春(日本医科大学 消化器外科), 住吉 宏樹(日本医科大学 消化器外科), 神田 知洋(日本医科大学 消化器外科), 清水 哲也(日本医科大学 消化器外科), 柿沼 大輔(日本医科大学 消化器外科), 水口 義昭(日本医科大学 消化器外科), 川野 陽一(日本医科大学 消化器外科), 吉岡 正人(日本医科大学 消化器外科), 谷合 信彦(日本医科大学 消化器外科), 真々田 裕宏(日本医科大学 消化器外科), 内田 英二(日本医科大学 消化器外科) |
抄録 | 【はじめに】副脾は脾元基の癒合不全の結果生じる脾臓の組織塊で脾門部や膵尾部にしばしばみられる。副脾は剖検例の10%にみられるといわれている。その80%は脾門部に発生するが、それ以外は横隔膜下から骨盤腔まであらゆる部位にみられる。特に膵内に存在する副脾は膵腫瘍との鑑別が問題となる場合がある。今回我々は術前精査で悪性を否定できず腹腔鏡下膵中央切除術を施行した膵体部膵内副脾の1例を経験したため報告する。【症例】32歳女性。健康診断で膵臓の腫瘍を指摘され当科に紹介となった。血液生化学検査、腫瘍マーカーに明らかな異常を認めなかった。腹部造影CT検査では膵体部に1cm大の造影効果の乏しい境界はやや不明瞭な腫瘤性病変を認める。この病変の尾側の膵管は拡張を認めた。腹部MRIでは膵体部にT2で低信号の腫瘤性病変を認めCTと同様、腫瘍尾側の膵管の拡張を認めた。PET検査では腫瘍に一致してFDGの集積を認めたがSUVmaxは早期相で2、後期相で3であった。EUS検査では膵体部に境界不明瞭、内部不均一な低エコー腫瘤を認めた。FNAでは細胞診にてclass IIIb、組織診にて副脾もしくはリンパ節との診断で確診には至らなかった。術前診断ではsolid pseudopapilally tumor、非機能性膵内分泌腫瘍、副脾が考えられたが、尾側主膵管の拡張も伴っており悪性の可能性も否定出来なかったため、まず腹腔鏡下に膵中央切除を行い腫瘍を摘出する方針とした。切除標本の迅速病理診断は副脾で悪性は否定されたため、尾側膵断端を胃後壁と吻合し手術を終了とした。最終病理診断も膵内副脾であった。術後は一時的に胃内容停滞を認めたものの保存的に改善し術後17日目に退院となった。【考察】本症例では悪性が否定出来ず、切除が必要であったと考えるが腹腔鏡下膵中央切除術を行うことにより低侵襲治療が可能となった。 |
索引用語 | 膵内副脾, 腹腔鏡下膵切除 |