セッション情報 専修医セッション(卒後3-5年)

タイトル 04:

当院健診における便中ピロリ菌検査導入後の初期評価について

演者 竹内 千尋(日立製作所日立総合病院 内科)
共同演者 鴨志田 敏郎(日立製作所日立総合病院 内科), 佐々木 翔一(日立製作所日立総合病院 内科), 浜野 由花子(日立製作所日立総合病院 内科), 綿引 隆久(日立製作所日立総合病院 内科), 大河原 悠(日立製作所日立総合病院 内科), 大河原 敦(日立製作所日立総合病院 内科), 柿木 信重(日立製作所日立総合病院 内科), 平井 信二(日立製作所日立総合病院 内科), 岡 裕爾(日立製作所日立総合病院 内科), 谷中 昭典(筑波大学附属病院 日立社会連携教育研究センター)
抄録 【目的】当院の健診はこれまで胃透視による判定を施行している.2013年2月に慢性胃炎に対するピロリ菌除菌が保険適応となり、オプション検診として便中ピロリ菌抗原検査を6月より導入した.健診データから現在のピロリ菌感染の疫学傾向、並びに諸背景因子の相関を解析するとともに、その後に当院で加療を希望された受診者については、内視鏡画像と健診での胃透視画像の比較とその後のピロリ菌除菌の結果を検討する。【方法】当院での健診は年間16000人の受診者がいるが, 2013年6月~10月にかけての便中ピロリ菌抗原検査を施行した796人を解析対象とした.ピロリ菌陽性群と陰性群について,年齢、性別、BMI、生化学検査値,胃透視判定等について比較検討した.また,当院で内視鏡施行した患者について腫瘍性病変の有無について検討した.有病変患者については内視鏡治療を施行した.【成績】796人中328人(41.2%)に便中ピロリ菌抗原陽性を認め、男性199名(60.7%)・女性129名(39.3%)と男性で多く,また平均年齢も高齢であった.328人中111例が当院での精査加療を指摘され,うち3例においては早期胃癌含む腫瘍病変を診断し内視鏡的粘膜下層切除術を施行された.【結論】ピロリ菌感染患者は多く,除菌適応が拡大され除菌治療を施行される患者は急激に増加していると考えられる.今回ピロリ菌陽性と判定された患者については経年健診で胃透視を施行されていても,内視鏡で腫瘍性病変を指摘されることからも,除菌時の内視鏡検査の併用は妥当であり注意深い観察が必要であると考えられた。
索引用語 便中ピロリ菌, 健診