セッション情報 研修医セッション(卒後2年迄)

タイトル 64:

急性胆石胆嚢炎に併発した十二指腸穿通により結石イレウスを来した一例

演者 宋本 尚俊(東邦大学医療センター佐倉病院 内科)
共同演者 古川 竜一(東邦大学医療センター佐倉病院 内科), 宮村 美幸(東邦大学医療センター佐倉病院 内科), 佐々木 大樹(東邦大学医療センター佐倉病院 内科), 勝俣 雅夫(東邦大学医療センター佐倉病院 内科), 平山 圭穂(東邦大学医療センター佐倉病院 内科), 菊地 秀昌(東邦大学医療センター佐倉病院 内科), 新井 典岳(東邦大学医療センター佐倉病院 内科), 岩佐 亮太(東邦大学医療センター佐倉病院 内科), 山田 哲弘(東邦大学医療センター佐倉病院 内科), 曽野 浩治(東邦大学医療センター佐倉病院 内科), 長村 愛作(東邦大学医療センター佐倉病院 内科), 中村 健太郎(東邦大学医療センター佐倉病院 内科), 青木 博(東邦大学医療センター佐倉病院 内科), 吉松 安嗣(東邦大学医療センター佐倉病院 内科), 津田 裕紀子(東邦大学医療センター佐倉病院 内科), 竹内 健(東邦大学医療センター佐倉病院 内科), 高田 伸夫(東邦大学医療センター佐倉病院 内科), 鈴木 康夫(東邦大学医療センター佐倉病院 内科)
抄録 【背景】胆石イレウスは比較的稀な疾患であり胆石症の0.15~0.5%に発生し、全イレウスの0.05~1%を占めるとされ、保存的治療のみで自然排石した症例は7~18%であり多くは外科的治療を必要と報告されている。【症例】77歳女性。【現病歴】2012年9月に胆石胆嚢炎で入院した際にCTで胆嚢内に30mm大の結石を指摘されていた。胆嚢炎は自然軽快し、また、同意が得られなかったため精査は行われなかった。2013年10月朝から嘔吐と下痢を発症し、同日夕に当院を受診した。腹部所見上は圧痛などを認めなかったが、血液検査で炎症所見と軽度の胆道系酵素の上昇があり、腹部CTで胆嚢炎の他、腸管内に結石の脱落を認めたため入院となった。【既往歴】糖尿病で当院通院中。【入院時現症】発熱はなく、腹部は平坦かつ軟、圧痛も認めなかった。【入院後経過】DIC-CTでは、胆のう内に結石は残存せず、胆嚢と十二指腸が穿通していることが確認された。絶食安静で経過観察していたが、入院3病日目に腸管内の結石が陥頓しイレウスを発症した。イレウス管を挿入したが改善せず、入院7病日目に腹腔鏡下に腸管内結石除去術が行われた。術後MRSA感染症を併発し回復に時間を要した。【考察】本例は約1年前に胆石胆嚢炎を発症しており、その後、慢性的に炎症が持続し、今回、急性増悪を契機に十二指腸に穿通し胆石の落下を招き胆石イレウスを併発したと考えられた。本例のような高齢者ではイレウス発症後の全身状態悪化時に外科的処置の危険性や回復の困難さを考慮すると、予防的胆摘術についても検討する必要があると考えられた。【結語】高齢者で胆のう炎に大きな胆石を合併している患者では胆石イレウスの発症の可能性についても検討すべきと考えられた。
索引用語 胆石イレウス, 十二指腸穿通