セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 06:抗菌化学療法が奏功し、臨床的にWhipple病と診断し得た1例 |
演者 | 堂森 浩二(厚生連長岡中央綜合病院 消化器病センター内科) |
共同演者 | 高綱 将史(厚生連長岡中央綜合病院 消化器病センター内科), 佐藤 明人(厚生連長岡中央綜合病院 消化器病センター内科), 福原 康夫(厚生連長岡中央綜合病院 消化器病センター内科), 渡辺 庄治(厚生連長岡中央綜合病院 消化器病センター内科), 佐藤 知巳(厚生連長岡中央綜合病院 消化器病センター内科), 富所 隆(厚生連長岡中央綜合病院 消化器病センター内科), 吉川 明(厚生連長岡中央綜合病院 消化器病センター内科) |
抄録 | 症例は76歳、男性。下痢と体重減少を主訴に外来を受診した。血液検査上は、著明な低蛋白血症、炎症反応高値、貧血などを認めた。止痢剤など対症療法を開始するも、症状は軽快しなかった。CTでは、全小腸に限局して、びまん性の浮腫状壁肥厚と反応性リンパ節腫大を認め、蛋白漏出性疾患などが疑われた。徐々に、低蛋白血症の増悪が進んだために入院した。上下部消化管内視鏡検査にて、十二指腸と終末回腸に、びまん性に白色絨毛ないし結節様変化を認めた。小腸カプセル内視鏡で、全小腸における同様の白色調変化の広がりを確認した。十二指腸と終末回腸の生検病理組織所見で、HE染色にて粘膜固有層に多数のfoamy macrophagesを認めた。macrophagesはPAS染色強陽性でありWhipple病と診断した。リンパ管拡張の所見は認めなかった。抗菌薬投与開始後に、症状と低蛋白血症の劇的な改善を認めた。現在、経過良好で外来観察中である。放線菌近縁のグラム陽性桿菌であるTropheryma whipplei感染によるWhipple病は、世界でもまれな疾患であり本邦の報告は少ない。診断や治療においても確立したものはないのが現状である。文献的考察も含め、症例報告をする。 |
索引用語 | whipple病, 低蛋白血症 |