セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 49:十二指腸穿孔に対して保存的加療後、腹腔内デスモイド腫瘍を発症した一例 |
演者 | 大野 晃一(厚生連篠ノ井総合病院) |
共同演者 | 大野 晃一(厚生連篠ノ井総合病院), 池野 龍雄(厚生連篠ノ井総合病院), 宮本 英雄(厚生連篠ノ井総合病院), 坂口 博美(厚生連篠ノ井総合病院), 五明 良仁(厚生連篠ノ井総合病院), 斉藤 拓康(厚生連篠ノ井総合病院), 小山 誠(厚生連篠ノ井総合病院), 川口 研二(厚生連篠ノ井総合病院) |
抄録 | 症例は31歳男性、平成23年2月に十二指腸穿孔、腹腔内膿瘍にて当科で保存的加療された。外来フォローアップ中再度膿瘍形成あるも抗生剤加療にて軽快していた。平成24年11月、フォローアップCTにて腹腔内左側に10cm大の腫瘤を指摘された。増大傾向を示し、MRIでは周囲浸潤は見られず、PET-CTにて集積有り、肉腫の疑いであったため、平成25年1月に腹腔内腫瘍切除術を施行した。病理組織診断では増殖細胞間の膠原線維の増生が見られ、核密度は低く分裂像もほとんど見られず、免疫染色においてα-SMA、desmin、CD34、c-kit、S-100 protein陰性であり、β-catenin陽性でデスモイド腫瘍と診断された。β-catenin遺伝子は創傷治癒で中心的役割を持つと言われており、腹部外傷、開腹手術などの機械的刺激により遺伝子変異を起こしデスモイド腫瘍発生の一因となると考えられている。また、APC(Adenomatous polyposis)遺伝子はβ-cateninの調整に関わっているとされ、家族性大腸ポリポーシスにデスモイド腫瘍が合併することも知られている。今回家族性大腸腺腫症の合併や腹部手術既往のない腹膜原発デスモイド腫瘍の稀な一例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | デスモイド腫瘍, 十二指腸穿孔 |