セッション情報 一般演題

タイトル 20:

自己免疫性膵炎の兄弟例

演者 小口 貴也(信州大学)
共同演者 玉井 方貴(信州大学), 浅野 純平(信州大学), 金井 圭太(信州大学), 渡邊 貴之(信州大学), 丸山 真弘(信州大学), 村木 崇(信州大学), 浜野 英明(信州大学), 新倉 則和(信州大学医学部附属病院 内視鏡センター), 川 茂幸(信州大学医学部附属病院 総合健康安全センター)
抄録 【症例1:兄】59歳、男性。2003年11月閉塞性黄疸にて当科紹介受診。血液検査では肝胆道系酵素の上昇に加え、IgG4 206 mg/dlと上昇し、CT・MRIにて膵はびまん性腫大と被膜様構造を呈し、また縦隔・肺門リンパ節腫脹を呈した。PETでは膵尾部および両側肺門部に集積を認めた。ERPでは膵管はびまん性不整狭細像を呈した。以上より自己免疫性膵炎(以下AIP)と診断し、治療はプレドニゾロンを 0.6 mg/kg/dayで開始した。ステロイド治療にて膵腫大、膵管狭細像の改善、および縦隔・肺門リンパ節腫脹の改善を認めたが、その後硬化性胆管炎にて再燃を3回繰り返し、現在維持量 16 mg/dayで経過観察中である。
【症例2:弟】61歳、男性。2011年3月健康診断にてγ-GTP高値を指摘された。2ヶ月間で、5kgの体重減少も認めたため、近医を受診。自己免疫性膵炎が疑われ、当科紹介受診された。血液検査ではALP 549、γGTP 170と胆道系酵素の上昇を認めたが、その他の肝胆道系酵素の上昇は認めなかった。また、IgG4は33 mg/dlと正常であった。CT・MRIにて膵はびまん性腫大と被膜様構造を呈し、両側耳下腺腫大、顎下腺腫大、縦隔・肺門リンパ節腫大および後腹膜線維症も認めた。ERPでは膵管はびまん性不整狭細像を呈した。以上よりAIPと診断した。自覚症状なく、また血液検査上、黄疸や炎症反応上昇などを認めないことより、現在無治療にて経過観察中である。
AIPは遺伝と環境の両要因が関与する多因子疾患と考えられている。本症例では兄が製造業、弟が電車の運転手と職業が異なること、40年来、別の地域で生活されていることより、共通の環境因子は認めなかった。今回、免疫遺伝学的検討を含め、報告する。
索引用語 自己免疫性膵炎, 兄弟発症