セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
47:Paclitaxel腹腔内投与併用化学療法が著効し切除し得た高度の腹膜播種胃癌の1例
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演者 |
會澤 雅樹(新潟県立がんセンター 新潟病院 外科) |
共同演者 |
梨本 篤(新潟県立がんセンター 新潟病院 外科), 藪崎 裕(新潟県立がんセンター 新潟病院 外科), 松木 淳(新潟県立がんセンター 新潟病院 外科) |
抄録 |
症例は37歳,女性。腹部不快感を契機に上腹部消化管内視鏡を施行。胃体部後壁のType 4胃癌を認め,生検は腺癌(tub2)で,当科へ加療依頼となった。入院時の血液生化学所見では,CA125値が上昇(667.7 U/ml)していた。腹部造影CTでは原発巣に一致して胃壁が肥厚し,所属リンパ節の腫大,大網内の濃度上昇,腹水貯留像を認めた。審査腹腔鏡を施行したところ,腹腔全体に腹膜肥厚と播種結節を認め,T4aN2H0P1CY1M0 Stage IVと診断した。腹腔ポートを留置し,Paclitaxel腹腔内投与併用のS1+Paclitaxel療法を6コース施行したところ著効し,原発巣と腫大リンパ節の縮小,大網内の濃度の正常化,腹水の減少,CA125値の正常化が得られた。さらに腹腔ポートからの腹腔洗浄細胞診はCY0で非切除因子は消失した。有害事象としてはCTCAE grade 3の関節炎が発生したが,休薬とステロイド使用にて軽快した。切除の方針とし胃全摘を施行したところ,開腹所見で腹膜播種を認めず,腹腔洗浄細胞診はCY1で,R1切除となった。病理組織学的所見はType 4,74×70mm,por2,ypT3N1,sci,INFc,ly1,v1,PM0,DM0,組織学的効果grade 1bであった。術後は合併症なく退院。その後は同レジメンの化学療法を継続し,術後6ヶ月で無再発生存中である。集学的治療が奏効した高度の腹膜播種胃癌の1例である。 |
索引用語 |
胃癌, 腹膜転移 |