セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
29:著明な白血球高値を伴い感染症との鑑別に苦慮したが、ステロイド治療が奏功した重症型アルコール性肝炎の1例
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演者 |
渡辺 和彦(日本歯科大学医科病院 内科) |
共同演者 |
廣野 玄(日本歯科大学医科病院 内科), 長谷川 勝彦(日本歯科大学医科病院 内科), 曽我 憲二(日本歯科大学医科病院 内科), 渡辺 卓也(わたなべ内科・青山クリニック) |
抄録 |
症例は57歳、女性。アルコール性肝硬変で当科通院中であったが発熱、倦怠感、食欲低下を主訴に2012年8月下旬に当科に入院した。血液検査で好中球優位の白血球上昇、ビリルビン及び肝胆道系酵素の上昇、凝固能の著明な低下を認めた。腹部CT、US検査で肝腫大、脂肪肝の所見を認めた。当初は細菌感染症を疑い抗生剤治療を行ったが白血球はさらに上昇した。その後白血球高値は重症型アルコール性肝炎に伴うものと判断、第15病日からステロイド投与を開始した。投与翌日には症状、検査所見ともに改善傾向となった。ステロイドを漸減し、第70病日退院した。重症型アルコール性肝炎はエンドトキシン、サイトカインなどが関与して好中球が肝に誘導され肝細胞障害が生じるとされているが、白血球高値は予後不良の指標である。本症例ではステロイド治療に反応したが、血球除去療法などが行われることもあり、合併症を引き起こさないうちに治療を開始することが重要と思われた。 |
索引用語 |
重症型アルコール性肝炎, ステロイド |