セッション情報 一般演題

タイトル 15:

診断に苦慮した大腸癌術後孤立性右卵巣転移の1例

演者 松村 任泰(NHOまつもと医療センター 松本病院)
共同演者 小池 祥一郎(NHOまつもと医療センター 松本病院), 中川 幹(NHOまつもと医療センター 松本病院), 荒井 正幸(NHOまつもと医療センター 松本病院), 北村 宏(NHOまつもと医療センター 松本病院), 遠藤  真紀(NHOまつもと医療センター 松本病院), 中澤 功(NHOまつもと医療センター 松本病院)
抄録 症例は40歳代女性。38歳時に両側乳癌手術の既往がある。41歳時に下行結腸癌に対し、結腸部分切除+D2リンパ節郭清を施行。病理所見ではD,55x35mm,環周率78.6%,type2,adenocarcinoma(tub2>tub1>pap>muc),pSE,int,INFb,ly3,v2,pN2(4/22),H0,P0,M0,stage 3b,pPM0,pDM0,curAであった。Adjuvant療法としてUFT+UZELを行い、明らかな有害事象なく内服継続したが、術後7ヶ月頃よりCEAの著明な上昇を認めた。胸腹部CT検査を施行したが明らかな病変を指摘できなかった。PET-CTでは右卵巣と考えられる部位に集積を認めた。しかし経膣エコー、骨盤部MRIでは明らかな異常所見を認めなかった。この時点でCEAの急激な上昇から大腸癌の再発転移の可能性が最も高いと考え、Bevacizumab+mFOLFOX6へと移行した。4コース終了後に再検したPET-CTでは同部位への集積を認めず、CEAも漸減傾向であった。12コース目頃からCEAの再上昇を認めた。下部内視鏡検査、胸腹部CTでは特記所見を認めなかったが、PET-CTでは右卵巣と考えられる部位に再び集積を認めた。また17コース終了後のCTにて小骨盤右壁の腫瘤の増大傾向を認めた。術後の経過中、同部位以外に再発転移を認めず、切除の方針とし、初回手術より22ヶ月目に手術を施行した。術中所見では右卵巣に3cm程の八つ頭状の硬い結節を認めた。懸念された周辺臓器への浸潤はなく、右卵巣のみを切除した。術後経過は良好で第12病日に退院となった。病理所見では3.2x2.8x2cm,adenocarcinoma(tub2>muc>tub1)であり、大腸癌の転移と考えられた。術後1ヶ月目のCEAは著明に低下していた。本症例のように大腸癌の孤立性卵巣転移を認める症例は比較的稀である。本症例は初回術前よりCEAの上昇を認め、病勢に応じてCEAの増減を認めたと考えられる。本症例は卵巣転移の確診に至れずに経過が遷延してしまった。卵巣への明らかな転移経路は不明であるが、若干の文献的考察を加え、報告する。
索引用語 大腸癌, 卵巣転移