セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル 26:

ペグインターフェロン投与中に血清反応陰性関節リウマチを発症したC型肝炎の1例

演者 晝間 優隆(立川綜合病院 消化器センター内科)
共同演者 大関 康志(立川綜合病院 消化器センター内科), 小林 由夏(立川綜合病院 消化器センター内科), 上野 亜矢(立川綜合病院 消化器センター内科), 藤原 真一(立川綜合病院 消化器センター内科), 飯利 孝雄(立川綜合病院 消化器センター内科), 杉谷 想一(立川綜合病院 消化器センター内科)
抄録 【背景】IFNの副作用は数多く知られているが、関節リウマチの報告は散見される程度である。今回、我々はC型慢性肝炎に対するPeg-IFN療法中に血清反応陰性関節リウマチと診断された1例を経験したので報告する。【症例】64歳の男性。検診にて肝機能異常指摘され1999年に当科を受診した。精査にてC型肝炎と診断されたがIFN療法は拒否され、UDCA内服にて経過観察されていた。2007年9月に肝S8、S6にHCC指摘され手術を行っている。2008年1月にIFN導入のため当科入院となった。十二指腸潰瘍手術の既往があり、その際に輸血歴がある。身体所見に特記すべき事項なし。血液検査では軽度の貧血を認めた。肝組織評価はF2、A2。SerogroupはGroup2、HCV-RNA量は4.6log.IU/mlと低ウイルス量であった。以上よりPEG-IFNα-2a単剤24週投与とした。2008年1月にIFN導入し、開始2週目でHCV-RNAは未検出となりRVRであった。導入してから20週目のころより指、肩などに関節症状現れ徐々に増悪したため6月に整形外科を受診し、関節炎として経過観察されたが、症状は遷延していた。11月の血液検査でTP、γグロブリンの著明な上昇あったため、血液内科専門医へコンサルトした。精査にて血液疾患は否定されたが、関節症状より関節リウマチ疑われたため、膠原病内科へコンサルトされた。RF、抗CCP抗体を検査すると共に陰性だったが、症状より、血清反応陰性関節リウマチと診断され治療開始。抗リウマチ薬にステロイドを追加し関節症状の改善が見られた。【結語】IFN療法中に発症したと考えられるseronegativeRAの1例を経験した。同様の症例報告は無く、稀な副作用と考えられるが、IFN治療後に関節症状が遷延した場合は、血清反応陰性でもRAの可能性を考慮する必要がある。
索引用語 血清反応陰性関節リウマチ, PEG-IFN