セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 16:

転移性痔瘻癌の1例

演者 丸山 正裕(山梨県立中央病院)
共同演者 鷹野 敦史(山梨県立中央病院), 宮坂 芳明(山梨県立中央病院), 高橋 和徳(山梨県立中央病院), 中山 裕子(山梨県立中央病院), 古屋 一茂(山梨県立中央病院), 須貝 英光(山梨県立中央病院), 羽田 真朗(山梨県立中央病院), 中込 博(山梨県立中央病院), 長堀 薫(山梨県立中央病院), 小山 敏雄(山梨県立中央病院 病理科)
抄録 症例は65歳男性。既往歴として、10数年来の痔瘻の治療歴があった。2012年3月より肛門部腫瘤の急激な腫脹と肛門痛を自覚した。肛門部腫瘤は6×4cm大で、自壊排膿していた。サドルブロック下で生検を施行して腺癌の診断であった。全身精査を施行すると下部消化管内視鏡検査で直腸Rsに全周性の2型病変あり。生検では中~高分化腺癌の診断であったため、直腸癌と転移性痔瘻癌の可能性が高いと考えた。PET検査では、直腸、肛門部、左鼠径リンパ節に集積を認めた。治療としては、腹会陰式直腸切断術(中枢側D3郭清+左鼠径リンパ節摘出)+筋皮弁による再建を施行した。病理学的には直腸癌と肛門部腫瘤との間には連続性はないが、共に中~高分化腺癌であり、類似組織であることから直腸癌+転移性痔瘻癌の診断となった。痔瘻は日常診療においてしばしば遭遇する疾患であり、長期にわたり炎症を繰り返すことで発癌する原発性痔瘻癌の報告は少なくないが、大腸癌が痔瘻内に転移したと考えらえる報告は稀である。今回我々は、直腸癌からの転移性痔瘻癌を1例経験したので、文献的考察を加え報告する。
索引用語 転移性痔瘻癌, 手術