セッション情報 一般演題

タイトル 43:

当院におけるA型胃炎およびA+B型胃炎の検討

演者 長谷部 修(長野市民病院 消化器内科)
共同演者 原 悦雄(長野市民病院 消化器内科), 越知 泰英(長野市民病院 消化器内科), 関 亜矢子(長野市民病院 消化器内科), 伊藤 哲也(長野市民病院 消化器内科), 岩谷 勇吾(長野市民病院 消化器内科), 多田井 敏治(長野市民病院 消化器内科)
抄録 【目的】A型胃炎の中長期成績およびB型胃炎(Hp gastritis)の関与を明らかにする。【対象と方法】1995年6月~2013年3月までに当院で経験したA型胃炎18例(A型胃炎単独9例,A+B型胃炎9例)。診断時年齢31~90歳(平均62歳),M/F=2/16,血清ガストリン330~3000以上pg/ml(平均1645pg/ml),抗壁細胞抗体陽性11/15例(73%),抗内因子抗体陽性4/9例(44%),観察期間3~174M(平均66M)。悪性貧血・カルチノイド・過形成性ポリープ・胃癌・他臓器癌の合併頻度および中長期予後をA型胃炎・A+B型胃炎に分けて検討した。【成績】(1)悪性貧血4例(22%):全例A型胃炎単独例にみられた。(2)カルチノイド6例(33%):A型胃炎2例,A+B型胃炎4例。単発4例・多発2例。1例はESD施行,5例は生検のみで経過観察中であるが,消失~不明瞭化している。(3)過形成性ポリープ5例(28%):A型胃炎2例,A+B型胃炎2例。数は1~50個,5例全例でEMR(1~38個)を施行し,2例に癌合併(m癌)を認めた。(4)胃癌3例(17%):A型胃炎1例,A+B型胃炎2例。2例は前述した過形成性ポリープに合併したm癌(1例は除菌後に発生),1例は1型sm癌で高齢のためESDを施行した。(5)他臓器癌3例(17%): A型胃炎1例(メラノーマ),A+B型胃炎2例(膵癌・大腸癌)。(6)予後:A型胃炎単独例のうち2例が28M後・31M後に他病死(溺水・心不全)した。【結論】(1 )A型胃炎に合併するカルチノイドは生検で消失~不明瞭化する症例が多く,切除を必要とする症例は少ない。(2)過形成性ポリープはB型胃炎合併の有無に関わらず発生し,癌化例もあることからEMRが望ましい。(3) A型胃炎とA+B型胃炎では悪性貧血合併頻度のほかには明らかな差は認めなかった。
索引用語 A型胃炎, 予後