セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | 32:経頸静脈的肝生検で診断した肝アミロイドーシスの1例 |
演者 | 加藤 亮(山梨大学 医学部 第一内科) |
共同演者 | 進藤 邦明(山梨大学 医学部 第一内科), 佐藤 光明(山梨大学 医学部 第一内科), 小松 信俊(山梨大学 医学部 第一内科), 辰巳 明久(山梨大学 医学部 第一内科), 三浦 美香(山梨大学 医学部 第一内科), 雨宮 史武(山梨大学 医学部 第一内科), 中山 康弘(山梨大学 医学部 第一内科), 井上 泰輔(山梨大学 医学部 第一内科), 前川 伸哉(山梨大学 医学部 第一内科), 坂本 穣(山梨大学 医学部 第一内科), 榎本 信幸(山梨大学 医学部 第一内科), 近藤 哲夫(山梨大学 医学部 人体病理学), 荒木 拓次(山梨大学 医学部 放射線医学), 岡田 大樹(山梨大学 医学部 放射線医学) |
抄録 | 症例は62歳、男性。2012年3月食思不振で近医受診、肝胆道系酵素上昇を指摘された。2012年9月腹部膨満感、全身倦怠感出現。2012年11月精査目的に入院した。入院時身体所見では、眼球結膜黄染、腹水貯留を認め、右季肋部に弾性硬の肝を4横指触知した。血液検査ではWBC 6890 /μl 、Hb 10.1g/dl、Plt 16.1万/μl、TP 6.1g/dl、Alb 3.1g/dl、T-Bil 2.4mg/dl、D-Bil 1.7mg/dl、AST 43IU/l、ALT 19IU/l、ALP853U/l、γGT140IU/l、PT活性63.3%であった。免疫学的検査、肝炎ウイルスマーカー、蛋白分画では特記所見がなかった。造影CT検査では肝静脈の造影不良を認めたため、Budd-Chiari症候群を疑い腹部血管造影検査を施行したが、上下大静脈、肝静脈に閉塞は認めなかった。CTAPでは門脈血流正常であったが、肝静脈の描出不良、肝全体にまだらな造影効果を認めた。診断のため経頸静脈的肝生検を施行した。病理組織のHE染色では間質に多量の好酸性物質が沈着し肝細胞は圧迫されやせ細っていた。沈着物はCongo-red 染色陽性で、免疫染色ではAL-κ(+)、AL-λ(-)、AA(-)でありAL-κtypeアミロイドーシスと診断した。肝臓以外に臨床的にアミロイド沈着を疑う所見はなかった。診断後全身化学療法として大量デキサメサゾン投与を行ったが効果なく肝不全進行し第64病日死亡した。死亡後の病理検査で骨髄中に異型形質細胞を認め多発性骨髄腫による肝アミロイドーシスと診断した。本症例のように肝アミロイドーシスは稀であり、経頸静脈的肝生検で診断し得た症例は示唆に富むものとして、文献的な考察を加え報告する。 |
索引用語 | 肝アミロイドーシス, 多発性骨髄腫 |