セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 22:総肝動脈瘤破裂による胆道出血に対し,肝動脈塞栓術が奏功した1例 |
演者 | 福島 健太郎(信州大学 消化器外科) |
共同演者 | 本山 博章(信州大学 消化器外科), 大久保 洋平(信州大学 消化器外科), 横井 謙太(信州大学 消化器外科), 北川 敬之(信州大学 消化器外科), 野竹 剛(信州大学 消化器外科), 古澤 徳彦(信州大学 消化器外科), 酒井 宏司(信州大学 消化器外科), 清水 明(信州大学 消化器外科), 横山 隆秀(信州大学 消化器外科), 小林 聡(信州大学 消化器外科), 宮川 眞一(信州大学 消化器外科) |
抄録 | 【症例】63歳男性.2012年11月初旬より背部痛・上腹部痛を認め前医受診.腹部造影CTにて総肝動脈に径25mm大の動脈瘤を指摘された.12月初旬腹痛及び吐血を主訴に前医受診,画像検査にて総肝動脈瘤破裂による胆道穿破・胆道出血と診断され,加療目的に当院緊急搬送となった.動脈瘤は固有肝動脈より発生する嚢状瘤で塞栓による肝動脈血流障害が危惧されたが,膵頭部のアーケードを介した胃十二指腸動脈/右肝動脈への血流を温存することにより肝血流を損なうことなく止血処置が可能であった.当院初診時より動脈瘤破裂による閉塞性黄疸を来しており,PTGBDによる減黄を要したが経時的に改善した.術後経過は良好で,第20病日退院となった.術後3ヶ月の現在まで瘤の塞栓状態は良好であり,胆道出血及び閉塞性黄疸の再燃は認めていない.本症例は総肝動脈以外にも上腸間膜動脈分枝などにも複数の動脈瘤を認め,結節性動脈炎などの背景血管疾患の存在が疑われたが,精査を行ったが明らかな併存疾患は特定されなかった. 【考察】肝動脈瘤は腹部内臓動脈瘤の約20%を占め,瘤の破裂は20-80%に認められる.破裂症例の43%は腹腔内破裂で,41%は胆道系への破裂をきたす.胆道系への破裂をきたした場合,Quincke’s triad(右上腹部痛,上部消化管出血,閉塞性黄疸)を呈するとされるが,本症例のように三主徴が同時にみられるものは少ない.破裂例においては,全身状態が急速に悪化することから開腹手術による救命率は低いとされ,診断と同時に可及的に行える塞栓術は,治療効率の面からも有用と報告されている.本治療では,肝動脈血流障害が危惧されるが,本症例においては,左肝動脈基部から固有肝動脈にかけて広範に塞栓したが,血管分岐の破格により肝血流を温存することができた. 【結語】総胆管に穿破した総肝動脈瘤の一例を経験した.文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 | 総肝動脈瘤破裂, 肝動脈塞栓術 |