セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル 11:

FOLFOX補助化学療法を施行し無再発生存中の上行結腸の神経内分泌癌多発病変の1例

演者 西川 明宏(長野県立木曽病院 外科)
共同演者 小出 直彦(長野県立木曽病院 外科), 小山 佳紀(長野県立木曽病院 外科), 河西 秀(長野県立木曽病院 外科), 秋田 眞吾(岡谷市民病院 外科), 中村 麗那(長野県立木曽病院 内科), 竹内 和航(長野県立木曽病院 内科), 北原 桂(長野県立木曽病院 内科), 飯嶌 章博(長野県立木曽病院 内科), 小林 基弘(信州大学医学部付属病院 病理組織学講座), 下条 久志(信州大学医学部付属病院 病理組織学講座), 久米田 茂喜(長野県立木曽病院 外科)
抄録 「はじめに」FOLFOX補助化学療法を施行し、無再発生存中の上行結腸の神経内分泌癌多発病変の1例を報告する。「症例」患者は62歳の男性で、腹痛を主訴に来院した。右下腹部に鶏卵大の腫瘤を触れ、圧痛を伴っていた。腹部CTにて上行結腸の腫瘍性病変による腸閉塞が認められ、大腸癌による腸閉塞を疑い緊急手術を施行した。腫瘍は上行結腸に触知され、リンパ節郭清を伴う右半結腸切除術を施行した。切除標本にて上行結腸に2つの腫瘍を認め、術前にCTで指摘された腫瘍径50 x 30 mmの5型病変(病変A)と腫瘍径30 x 30 mmの0-Ip型病変(病変B)であった。病変AおよびBともに免疫染色を含む病理組織検査により一部に腺癌成分を伴う神経内分泌癌と診断された(病変A-pSS pN0 cM0:pStage IIおよび病変B-pM pN0)。両病変には連続性は認められなかった。病変Aはリンパ管浸潤を伴っていたが、軽度(ly1)であった。術後に補助化学療法としてFOLFOX療法を施行し、術後2年を超えて無再発生存中である。なお術後に大腸内視鏡検査を行ったが、その他の大腸癌は認められなかった。「考察」大腸の神経内分泌癌の多発病変は医中誌webおよびPubMedで検索した限り報告がなく、非常に稀であると考えられた。大腸のみならず消化管の神経内分泌癌の治療成績は非常に不良で、肺小細胞癌に準じてCDDP・CPT-11・VP-16などを含めた化学療法がしばしば行われている。しかし、その標準治療は確立されていない。上行結腸の神経内分泌癌を経験したので、その多発病変およびFOLFOXを用いた術後補助化学療法について考察する。
索引用語 大腸癌, 神経内分泌癌