セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 23:

Mixed acinar-endocrine carcinomaの一例

演者 清野 智(新潟県立新発田病院 内科)
共同演者 夏井 正明(新潟県立新発田病院 内科), 瀧澤 一休(新潟県立新発田病院 内科), 坪井 清孝(新潟県立新発田病院 内科), 岡 宏充(新潟県立新発田病院 内科), 青木 洋平(新潟県立新発田病院 内科), 山崎 和秀(新潟県立新発田病院 内科), 松澤 純(新潟県立新発田病院 内科), 渡邉 雅史(新潟県立新発田病院 内科)
抄録 今回、我々は腺房細胞癌(ACC)と神経内分泌癌(NEC)の併存腫瘍を経験したので報告する。症例は60歳代の男性で、高血圧症、糖尿病、高脂血症の既往があり、飲酒歴は機会飲酒程度であった。臍周囲部の違和感を主訴に近医を受診し、腹部USで膵頭部に低エコー腫瘤を指摘されたため当科を紹介された。身体所見に異常を認めなかったが、検査成績ではDUPAN-2とelastase 1が上昇していた。腹部CTでは膵頭部に辺縁部が軽度造影される6cm大の類円形の充実性腫瘤を認め、その尾側膵管は軽度拡張していた。腫瘍はMRIのT1強調像で概ね低信号、T2強調像で中心部高信号、辺縁部低信号、拡散強調像で中心部低信号、辺縁部高信号を呈し、中心部の壊死が示唆された。ERCPでは拡張した膵頭部主膵管内に腫瘍栓と思われる透亮像を認めた。以上の画像所見からACCあるいは神経内分泌腫瘍を疑い、EUS-FNAを施行した。採取された検体には一部に管腔形成を伴い胞巣状に増殖する腫瘍を認め、免疫染色で腫瘍細胞はanti-trypsin陽性、anti-chymotrypsin陽性であることからACCと診断された。総肝動脈への浸潤が疑われたためgemcitabineとS-1による化学療法を2コース施行後に新潟県立がんセンター外科に転院し、亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行された。腫瘍内には術前に診断されたACCの他に、免疫染色でsynaptophysin陽性、chromogranin A陽性の腫瘍細胞が索状に配列する成分が併存していた。この成分はKi-67 labeling indexが約40%であることからWHO分類におけるNECに相当し、腫瘍全体としてはMixed acinar-endocrine carcinoma(MAEC)と診断された。MAECは比較的稀な腫瘍であり、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 MAEC, ACC