セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 32:

膵管内乳頭粘液性腫瘍の経過観察中に浸潤性膵管癌を発症した3例

演者 田中 佳祐(山梨大学 医学部)
共同演者 進藤 浩子(山梨大学 医学部), 深澤 光晴(山梨大学 医学部), 横田 雄大(山梨大学 医学部), 高橋 英(山梨大学 医学部), 高野 伸一(山梨大学 医学部), 佐藤 公(山梨大学 医学部), 榎本 信幸(山梨大学 医学部)
抄録 【症例1】 70代男性. 2011年8月の健診の腹部超音波検査で膵鉤部に40mm大の多房性嚢胞性病変を指摘され当院紹介受診. CT, 超音波内視鏡検査施行し分枝型の膵管内乳頭粘液性腫瘍 (以下IPMN)と診断した. 壁在結節は3.5mm, 主膵管径は3mm, また膵液細胞診はclassIIのため外来経過観察とした. 4~6か月毎に画像で経過をみていたところ, 2012年12月の超音波内視鏡検査で膵鉤部IPMNとは別に膵体部に15mm大の低エコー結節を認め, EUS-FNAでclassIIIbと膵臓癌が強く疑われ, 2013年1月膵体尾部切除が行われ最終診断は以下の通りであった. Invasive ductal carcinoma, tub2, pTS1 (18x9mm), pT3, s(+), pN0, M0 stageIII【症例2】 70代男性. 2012年6月の健診の腹部超音波検査で膵鉤部に25mm大の嚢胞性病変を指摘され, 同年9月CA19-9 137 U/mlと上昇認めたため同年10月に当院紹介受診. 前医CTと超音波内視鏡検査より分枝型IPMNと診断. 明らかな壁在結節はなく, 主膵管径は2.7mmと悪性所見に乏しいことから外来経過観察とした. 2013年1月MRCPで膵体部主膵管に途絶所見認め, 膵液細胞診でclassVの診断となった. 同年3月膵体尾部切除術が行われ最終診断は以下の通りであった. Invasive ductal carcinoma, por, pTS2(24mm), pT3, s(+), pN0, M0 stageIII.【症例3】 80代男性. 2011年10月CTで膵体部に24mm大の多房性嚢胞性病変認め, 超音波内視鏡検査で分枝型IPMNの診断. 明らかな壁在結節はなく, 主膵管径は3.0mmと悪性所見に乏しいことから外来経過観察とした. 4~6か月毎に画像で経過をみていたところ, 2013年5月CTで膵鉤部に10mm大の乏血性結節を認め, EUS-FNAでclassVの診断となった. 同年8月膵頭十二指腸切除術が行われ最終診断は以下の通りであった. Invasive ductal carcinoma, tub2>por, pTS1(14mm), pT4, pv(+), pN0, M0 stageIVa【考察】IPMNはいずれも悪性を疑う所見に乏しかったが定期的に画像評価行うことで, 併存膵癌の検出が可能であった. IPMNを経過観察していく上で示唆に富む症例であり, 文献的考察を含め報告する.
索引用語 IPMN, 膵臓癌