セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 01:肝癌治療に対するバイポーラRFAシステムの特徴 |
演者 | 鈴木 雄一朗(山梨大学 医学部 第一内科) |
共同演者 | 中山 康弘(山梨大学 医学部 第一内科), 廣瀬 純穂(山梨大学 医学部 第一内科), 佐藤 光明(山梨大学 医学部 第一内科), 小松 信俊(山梨大学 医学部 第一内科), 辰巳 明久(山梨大学 医学部 第一内科), 三浦 美香(山梨大学 医学部 第一内科), 井上 泰輔(山梨大学 医学部 第一内科), 前川 伸哉(山梨大学 医学部 第一内科), 坂本 穣(山梨大学 医学部 第一内科), 榎本 信幸(山梨大学 医学部 第一内科) |
抄録 | 【背景】2013年1月から肝癌局所治療に対しバイポーラRFAシステム(Celon POWER 、Olympus社)が使用可能となったが、モノポーラシステムとの相違を理解して使用する必要がある。今回バイポーラRFAの初期使用経験を検討し、モノポーラと比較した利点/欠点を提示する。【対象と方法】対象はすべて肝細胞癌で、2013年8月から9月までバイポーラRFAシステムを用いて当科でRFAを施行した7例8結節。基本的な焼灼はOlympusから提供された資料(ドジメトリーテーブル)に従った。【結果】(1)患者年齢中央値は71(57-81)歳で、すべて男性。背景肝はCH/LC=1/6例でetiologyはHBV/HCV=1/6例で、肝予備能はChild-Pugh A5点/A6点/B7点相当=3/3/1例。腫瘍径中央値は14.5(5-23)mmで占拠部位はS3/S6/S7/S8=1/2/1/3例であった。(2)穿刺針はすべて30mm-20cmで1/2/3本使用がそれぞれ1/4/3例で、それぞれの腫瘍径中央値は1本穿刺が5mm、2本穿刺は12.5(12-16)mm、3本穿刺は23(17-23)mmであった。(3)負荷した熱量は概ね上記資料に準じたが、1本穿刺が16kJ、2本穿刺が23(20-27)kJ、3本穿刺は35(35-36)kJで、2本穿刺の2結節でUSでの焼灼範囲予測から予定の80%で終了した。平均焼灼時間は1本穿刺が13分、2本穿刺は11(10-13)分、3本穿刺は12(12-13)分であった。8結節中5結節で腫瘍の辺縁で穿刺しNon-touch ablationを目指せた。(4)8結節中6結節が1回の焼灼で5mm以上のマージンを得られたが、負荷熱量が少なかった2結節でマージンが不足し追加焼灼を要した。その後の追加で局所制御は良好となった。(5)8結節の焼灼中目立ったpoppingは1例も認めず肝機能低下や出血など有害事象は認めなかった。ただし深い病変で先端の視認性が不良の症例が2例あった。【考察】バイポーラRFAシステムは焼灼が短時間で済み、低分化癌に対する焼灼に有用(Non-touch ablationが可能、popping少ない) な利点があるが、2本穿刺でのマージンが不足しやすいこと、先端の視認性が不良であることに注意を要すると思われた。【結語】バイポーラRFAシステムは有用であるが、モノポーラとの差異を理解し場合により使い分ける必要があると考えた。 |
索引用語 | 肝細胞癌, ラジオ波焼灼療法 |