セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル o-015:

Irinotecan+Cisplatin療法が奏効した膵原発神経内分泌癌の一例

演者 高木 宏明(富山大学 内科学第三講座)
共同演者 安藤 孝将(富山大学 内科学第三講座), 吉田 啓紀(富山大学 内科学第三講座), 高取 俊介(糸魚川総合病院 内科), 禿 晃仁(富山大学 内科学第三講座), 植田 亮(富山大学 内科学第三講座), 南條 宗八(富山大学 内科学第三講座), 三原 弘(富山大学 内科学第三講座), 蓮本 祐史(富山大学 内科学第三講座), 藤浪 斗(富山大学 内科学第三講座), 梶浦 新也(富山大学 内科学第三講座), 西川 潤(富山大学 内科学第三講座), 細川 歩(富山大学 内科学第三講座), 杉山 敏郎(富山大学 内科学第三講座)
抄録 【背景】消化器を原発とする神経内分泌癌(NEC)は稀な疾患であるため、標準治療は確立されていないが、一般にIrinotecan/Cisplatin(IP)療法やEtoposide/Cisplatin(EP)療法などの小細胞肺癌に準じた治療が行われている。今回我々は、膵原発のNECに対して、IP療法を施行し、良好な経過を得た一例を報告する。【症例】60歳代、女性。20XX年7月より上腹部不快感が出現し、8月より全身の掻痒感も認めるようになったため近医を受診。造影CT検査上、膵頭部に早期濃染を伴う腫瘤性病変、肝S5にリング状に造影される結節性病変を認め、また肝内胆管および総胆管の拡張も伴っていた。上部消化管内視鏡検査では十二指腸下行脚に乳頭を巻き込むように浸潤する潰瘍性病変を認め、生検組織の結果、膵原発のNECであった。肝転移を伴う膵原発NECと診断し、同年9月よりIP療法を施行した。2コース後のCT検査では腫瘍の著明な縮小を認め、腫瘍縮小効果はPartial Response(PR)であった。現在8コースまで施行しPRを維持している。主な有害事象としてGrade3の疲労と下痢を認めたが抗癌剤の減量と止痢剤でコントロール可能であった【結語】IP療法が奏効した膵原発NECの一例を経験したので文献的考察を加えて報告する。
索引用語 神経内分泌癌, IP療法